iDeCoは税制メリットがたくさん!

 iDeCoのいいところは、運用する上で安心な税制のメリットがある点だと、竹川さんは教えてくれます。そのポイントは3つ。

 「一つ目は、掛金が『全額所得控除』の対象になることです。例えば、毎月2万3000円ずつ掛金を払うと、その金額が控除され、税金が下がるということですね。二つ目は『運用益が非課税』になるということ。そのため、効率よく運用できます。60歳以上の給付時は残念ながら原則課税ですが、『公的年金等控除』や『退職所得控除』の対象となります」(竹川さん)

【3つの場面で税制メリットを享受できるiDeCo】

(1)毎月の掛金を払うときは……非課税!
 全額「所得控除」の対象です。その年の所得税・翌年の住民税の負担を減らせます。

(2)運用している間は……非課税!
 「運用益」は非課税です。そのため、効率よくお金を殖やせます。

(3)運用してきたお金を受け取る給付時は……課税。でもメリットあり!
 一時金で受け取ると「退職所得控除」、年金形式で受け取ると「公的年金等控除」の対象です。受け取るときに税負担が軽くなる場合もあります。

 ただし、留意点として、「原則60歳まで引き出すことができない(加入年数によっては60歳で引き出せないこともある)」「加入時、加入後も各種手数料(毎月の口座管理手数料など)がかかる」「運用次第では元本を下回ることもある」、ということもしっかりと覚えておきたいポイントです。

iDeCoを始めたい! でもどうやって?

 将来のために積立できて、しかも税制優遇を受けられるなら早速始めたい! と思った方が次に頭を悩ませるのは、そもそもどこでどうやって始めるの? ということではないでしょうか。その点について、iDeCoのエキスパートでもある大江さんから教えてもらいます。

 「iDeCoに加入するには、3つの決定が必要です。一つ目は掛金額、二つ目は金融機関(運用管理機関)、3つ目は運用する商品と配分ですね。実は、これらの決定をサポートをする便利なサイトがあります。それが『iDeCoナビ』です」(大江さん)

 この「iDeCoナビ」はユーザー登録せずに利用可能。制度のあらましや税メリットの概算など、iDeCoに加入する上で参考になる情報が満載です。同サイトの「取扱金融機関比較」では、金融機関各社の商品・手数料・サービスを比較検討することができます。iDeCoの契約先は一つしか選択できないので、ぜひ複数社を比較して検討したいところ。その際、大江さんは見てもらいたいポイントがあると言います。

 「働く女性の皆さんにはぜひ、次の2点に注目してご検討いただきたいですね。まずは、コールセンターの営業時間です。ご自身の勤務時間と照らし合わせてサポートが受けやすいところを選択することが大切です。次に、手数料では口座管理料以上に投資信託のコストである運営管理費用(信託報酬)です。例えば毎月2万円を20年間積み立てた場合、全く運用益がなかったとしても、運用管理費用が残高に対して0.5%なら53万円、1.0%なら102万円と大きな差になります。iDeCoは長年積み立てていくにつれ残高が大きくなりますから、残高に対しての率で決まる運用管理費用(信託報酬)の影響は侮れません。」(大江さん)

 iDeCoは店頭窓口を設けていないところがほとんどなのだとか。だからこそ、何かあったときに相談できるコールセンターが自分の自由になる時間と合っているかも大切になるそうです。上記を踏まえて、ある程度絞り込みをしたら、ネットやコールセンターで資料を取り寄せて、さらに比較検討するようにしましょう。