授かりやすい体を目指すために

 モデルとして心身をいい状態に保つ努力をしている田中さんの経験談を聞き、善方先生は「女性として自分の体をいたわってあげることが、赤ちゃんを宿すための一番の近道なんじゃないか。今日はお話を聞いてそう思いました」と話します。

 パネルディスカッションの司会役で、『女性ホルモンの教科書』(日経BP社)の著者でもある黒住さんも会場に呼びかけます。

 「働くために、睡眠や食事など生活のさまざまなことが犠牲になっている女性が増えているという調査結果も出ています。現在、理想的な状況でない人は、少しずつでも、今できることから変えていきましょう!」

家庭で排卵日を予測できる排卵検査薬

 今回の講演では「排卵」が一つのキーワードでもありました。ロート製薬の宮下侑子さんが、妊活に役立てたい排卵日予測検査薬ドゥーテストLHを紹介しました。

ロート製薬の宮下侑子さん
ロート製薬の宮下侑子さん

 最も妊娠しやすい時期である排卵日を事前に知るツールに、家庭で使える排卵検査薬があります。次の生理予定の17日前から、1日1回、同じ時間帯に検査スティックに尿をかけるだけで、尿中のホルモン濃度から排卵日が約1日前に予測できる検査薬です。

 「排卵された卵子の寿命は1日ですが、精子は5、6日ほど生きるので、排卵日当日ではなく、その数日前から性交渉を持っておくことで、妊娠を成立させる確立を上げることができます」と善方先生はアドバイスします。善方先生のクリニックでも、排卵日予測検査薬を上手に使うコツを紹介しているそうです。

 また、妊活のタイミングを知るという目的以外にも、「自分がそもそも排卵しているかどうかを確認するために、排卵日検査薬を使う方法もおすすめ」と善方先生は話します。「妊活でよくある誤解」の一つに、「生理があれば、産める」というものがありますが、現実には、生理があっても排卵していない場合があるといいます。検査薬できちんと排卵が確認できたら、そうした無排卵の心配が減りますね。

 不妊治療専門のクリニックでは卵胞の大きさを計るなどして排卵を確認しますが、そのためには何度もの通院が必要です。でも、仕事が忙しい人や第1子の子育て中で子供を病院に連れてゆきにくいといったときには、まず、薬局やネット通販で買える排卵日予測検査薬から始めてみてはいかがでしょう。

 「基礎体温の管理やアプリなどのツールと併用して、排卵日予測検査薬を妊活に役立てていただけたら嬉しいです」と宮下さん。

妊娠中も安心 カフェインゼロの緑茶が登場

 講演前にセミナー受講者へ向けて、「生茶デカフェ」が配られました。5月にキリンビバレッジから発売された、妊娠中も安心して飲める緑茶です。天然の吸着剤を用いるキリン独自の技術<カフェインクリア製法>で香りを残しながらも安心安全にカフェインだけを除去して、緑茶本来の味わいを生かしながらも、爽やかですっきりとした味わいが特徴。来場者の皆さんは「生茶デカフェ」を飲みながら聴講していました。

 

文/越智理奈 写真/竹井俊晴