5月20日(土)、21日(日)に東京ミッドタウンで行われた、働く女性を応援するイベント「WOMAN EXPO TOKYO2017」。キャリア、美容、健康など幅広いテーマでお届けしたセッションの中から、キャリアアドバイザーの藤井佐和子さんが登壇した「3年後も今のままでいい?『転職』を意識したときからやるべきこと」の様子をリポートします。

 「仕事は続けたいけれど、将来のビジョンが見えない」「どうやって会社を比較検討したらよいか分からない」……。働き方や価値観が多様化する中でキャリアの選択を考えるとき、女性はさまざまな不安や悩みに直面します。藤井さんは新卒入社の大手カメラメーカーを3年半で退職し、派遣社員やアルバイト、人材会社への転職を経て2002年に女性のキャリア支援を行う「キャリエーラ」を起業。これまで延べ1万3000人と1対1でキャリアカウンセリングを行ってきました。

将来のビジョンを描くために必要なキャリアの考え方を教えてくれた藤井佐和子さん
将来のビジョンを描くために必要なキャリアの考え方を教えてくれた藤井佐和子さん

 まず藤井さんが紹介したのは、日経ウーマンオンラインが実施したアンケート。「働く女性の7割が転職したいと考えているが、一歩を踏み出せないでいる」という結果です。理由で最も多いのが、「今の仕事内容や職場環境には満足していないけれど、我慢できるから」。他にも「時間がない」「何から始めたらいいかわからない」といった回答が多く寄せられました。また、転職したいと考えている人の4割が事務系職種を希望。現在も事務系職種で働き、同じ職種で業界を変えたいと思っている人が多いという結果も出ています。

【参考】働く女性の転職白書

 「将来のビジョンは人それぞれ。大切なのは先々までイメージした上でキャリアを考えること」と藤井さんは言います。

 「キャリアアップやキャリアチェンジの考え方は二つ。『自分で仕事をする』『組織の中で働く』のどちらに進みたいのかです。前者は起業したり、フリーランスで働いたりといった方法。後者の場合は選択肢として『(1)異動しながらキャリアアップ』『(2)立場を変えながらキャリアアップ』に分かれます」

 (1)は経理から人事など、仕事内容を変えていく働き方。社内でジョブローテーションする方法と、キャリアチェンジ転職という方法があります。(2)は一般社員から課長、部長というように役職を上がっていくことを目指すもの。これについては「会社から管理職登用を打診されたが、自分は興味がない」という相談者が多いそうで、藤井さんは「管理職になることが自分にどんな意味合いを持つか、一度メリットも考えてみて」とアドバイスしています。なお、(1)と(2)を変えながらキャリアアップするという第3の選択肢もあります。

 ところで、転職についてよく耳にするのが「20代のうちに転職しておいたほうがいい。30代以上は難しくなる」という説。これは本当なのでしょうか?