超高齢社会におけるコミュニケーションを変えたい

 美波町と肝付町に「ITふれあいカフェ」を開設したのも、その地域の高齢者がスマートフォンやタブレットに気軽に触れられるようになることで、私と両親との関係性が変わったように、超高齢社会における人々のコミュニケーションの形やつながりを変えたいと思ったから。それともう一つ、そこで得た知見や課題を、新しい事業を考えている企業にフィードバックしたり、自社で商品開発をしたりする際に活かしていけるのではないかと思っているからです。

 すでに私のところには製品開発や検証などの相談が寄せられています。そういったときに、無作為に抽出した人たちを対象に無機質な調査を行うのではなく、ITふれあいカフェで日頃のコミュニケーションから信頼関係を作った人たちに製品を問うことで、率直に生の意見が聞けると考えています。

 「お茶の間で使うものはお茶の間で創る」という私たちの手法を実現するために、コミュニティの中にこのような場がある状態を浸透させて、それを全国に広げていこうとしています。ITふれあいカフェは最初の拠点を徳島県に、2拠点目は鹿児島県に作りましたが、今後は日本各地に展開していく予定です。今は3拠点目の準備に取り掛かっているところですが、それが実現したらその後は一気に展開のスピードを加速させていきたいと思っています。

<次回に続きます>

文/成田真理 写真/PIXTA


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