自分を発信していけば、同じ志の人が集まってくる

 しかし私はその思い込みに無理に合わせることはせずに、今まで自分が仕事をしてきたのと同じ感覚で、自分の興味があるテーマ、主義といったことを地方からでもちゃんと発信するという姿勢を貫いています。するとこれまでとは違った新しい価値観がその地方にちゃんと生まれてきて、日本全国から、「ここで一緒に活動してみよう」という志を持つ人が集まってきてくれます。ビジネスを目的にしている人もいますし、休学してインターンを体験しようという大学生もいます。

 これまでも私は、いろいろなインタビューのたびにはっきり宣言してきましたが、そこに住む人たちの実態や本当の心情と向き合うことを抜きにした、形だけの地域活性・地方創生をしているつもりはありません。また、一定の地域だけで活動をしているつもりもありません。株式会社たからのやまのビジョンが「どこでも未来を紡げる社会の創造」なので、本当にどこに行っても、自分の選んだ場所で自分の生業を続けていける環境を創ろうと思っています。そのためにITを活用し、誰もがネットでつながれるようにしたり、情報を発信できたりする必要があると考えているのです。私たちの次の世代が、東京か地方かを選ぶのではなく、どの土地でも同じように幸せに暮らせる社会を実現していきたい。

 そんな思いが、2013年に設立した株式会社たからのやまのビジョンには込められています。