起業家の奥田浩美さんが提案する、「会社を辞めないという選択」。会社に所属しているほうが、様々な人とつながりやすく、より大きく社会を変えられる可能性を秘めていると奥田さんは言います。あなたの強みを会社で生かすには? 会社を“使って”自分の夢をかなえるには? 書籍『会社を辞めないという選択―会社員として戦略的に生きていく』の中から、明日からすぐに仕事が好きになれる働き方を提案します。

共感的アプローチこそ社会の進化形

(C)PIXTA
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 あなたが部下や後輩を自分で動かす立場にいるとしましょう。しかし、あなたが若手社員だった頃に上司の姿を見て覚えたマネジメント手法は、時代の変化とともに廃れてきています。ですから、それをそのまま応用しようとしても無理が生じてしまいます。

 管理職の人たちが「今の若手社員は、上司の私たちが怒ったり注意したりしても、何を言われているのかわからない様子だ」と言うのをよく耳にします。今の若い世代が、怒られたという事実に衝撃を受け、そこで身動きが取れなくなるということなのでしょうが、私はそれが案外正常な姿なのではないかと思います。かつての、上から下を抑えつけて動かす「制圧型組織」とは違って、今は上とか下という意識をあまり持たずに、ともに何か新しいものを創り出していこうとする「共創社会」へと移ってきているからです。