苦手な人とコミュニケーションを取るには

 私は今、地方での事業に取り組んでいます。都会と違って、地方ではこれまでとは違う新しい考え方を持つ人が突然現れると、みんなが戸惑います。そこで私はいつもこう言っています。「異質な人が来たということは、その地域が豊かになるということです」。これは、企業でも言えることだと思っています。

 もちろん誰しも、会った瞬間、「この人は苦手だな」と思うような相手がいるものです。

 私がいつも心掛けているのは、嫌だと思うならなおさらその気持ちを一度持ち帰って、どうしてその人を嫌だと思ったのか考えるようにすることです。そして必ず、その嫌だと思った考えや行動の背景にあるものを想像し、自分がその人だとしたら、どういう考えを持ってどういう行動をするか分析してみます。

 その後に、もう一度会って話す機会を持つ。とはいえ私は、出会った人全員に迎合する必要はないと思っているので、嫌な要素を分解して分析して、それでもやはり嫌な思いしか持てないようなら、諦めようと決めています。でも、そういうケースは実はとても少ないのです。