前回までは、投資初心者におすすめな「投資信託」について、全5回にわたって【働き女子の投資信託選び・基礎編】をお送りしてきました。「投資を始めてみようかな」と思ったときの選択肢は、投資信託だけではありません。そこで今回は、若いうち、特にアラサー世代が「焦って始めなくてもいいこと」を学びます。

不安だからと漫然と保険に加入していませんか?

 将来、特に老後に対する不安から、民間の保険会社の個人年金保険に加入する人がいます。個人年金保険というのは、加入してから数十年にわたって保険料を支払い、老後に年金を受け取る貯蓄目的の保険です。でも、若いうちにこうした保険に加入するのはよいことなのでしょうか。

保険に入る…その前に、チェックしてほしいことがあります(C)PIXTA
保険に入る…その前に、チェックしてほしいことがあります(C)PIXTA

 投資信託はもちろん、長期的にお金を育てていくために金融商品を購入するなら、購入・契約前に意識してほしいことが3つあります。

(1)イザというときに換金できること
(2)長い目で見たときにインフレに勝てること
(3)過度な集中を避けること

 まず、(1)「イザというときに換金できること」。皆さんは、これから転職や独立をする可能性もありますし、結婚・出産を控えている人もいるでしょう。若いときにはライフスタイルの変化などでお金が必要になることもあります。もっとよい商品が販売されることもあるかもしれません。そうしたときに解約しにくかったり、割高な手数料が差し引かれたりする(結果的に元本が戻らない)商品は避けたいものです。

 次に(2)「長い目で見たときにインフレに勝てること」。これから20年、30年という長い期間を通してお金を育てていく必要がありますから、インフレに負ける可能性がある商品は避けたほうがいいでしょう。ましてや、今のようなほとんど金利がつかない時代に、預けたときの利率が長期間にわたり適用される固定金利の金融商品は避けるのがセオリーです。

 そして、(3)「過度な集中を避けること」。特定の資産に「集中し過ぎない」ことです。例えば、ドルに対して円の価値が下がると(=ドル高円安)、米国から輸入されている食品の価格は上がります。そのときに、金融資産をすべて「円預金だけ」に預けていると値上がり分をカバーできないかもしれません。投資する場合も、「日本株だけ」というように、特定の国や地域の資産だけに集中することは避けたほうがよいでしょう。

 では、この3つのポイントから、具体的な金融商品を見ていきましょう。