その3:収支を確認しよう

 次に、「収支」を計算するために「支出(=使ったお金)」を記入していきます。私たちは生活していく上でさまざまな「支出」をしています。支出を記入する際には「固定費」と「変動費」を意識して記入していくといいでしょう。

●固定費
収入に関係なく毎月(毎年)一定額発生する支出
 →生活するのに「最低限必要なお金」
●変動費
収入に比例して増減する支出
 →収入に応じた調整が可能

 固定費というのは、収入の多いときでも少ないときでも、毎月(あるいは毎年)必ず発生する費用のことです。なかでも大きいのは、住まいに関するお金(賃貸なら家賃、持ち家なら住宅ローン、管理費、固定資産税など)や車に関するお金(駐車場代や税金)、保険料、教育費などです。

 Aさんの固定費は、家賃1年分(月々10万5000円)、保険料、電気や水道光熱費などの公共料金、インターネット代などの通信費、自炊する際の食費(月々3万5000円)が該当しました。食費(外食費は除く)を固定費に入れていますが、これは「固定費=最低限、生活するのに必要なお金」という意味もあるからです。食費以外は、銀行口座から引き落とされている場合が多いので、調べればすぐに分かると思います。

 一方、「変動費」は毎月支出する金額が増減する費用のことです。例えば、洋服代や趣味に関するお金、飲み会のお金や旅行、お小遣い、医療費などになります。こちらはいざとなれば削れるお金です。

 Aさんは毎月1万円の英会話レッスンを受講しているので、レッスン料を自己投資費として記入します。外食などの交際費は毎月2万円ほど、年に数回の旅行や帰省にかかった費用は1年で20万円でした。このように記入していくと、Aさんの年間収支は約62万円になります。

 では、この収支というのは何でしょうか。手取り収入は「入ってきたお金」、支出は「出ていくお金」ですよね。ということは「収支」の金額は手元に残った金額ということになります。つまり、1年間に貯められた金額、年間貯蓄額(投資含む)ということになるわけです。ところが、Aさんはそんなに貯められていないようです。なぜでしょう?