30代の働き女子に投資をおすすめする理由

 30代から投資を始めてよかったこと。1つ目は、お金がそこそこ増えたことです。何十倍になったわけではありませんが、世界の株式を中心に幅広く投資をしてきたことで、すべてを定期預金に預けているよりはお金をふやすことができました

 世界経済の成長のもとになっているのは、企業が世の中に提供している付加価値です。企業の成長にお金を投じることで、企業がいい商品やサービスを生み出して社会に必要とされれば、その企業の売り上げや利益は伸びて、投資した私たちにも利益が還元されます。もちろん短期的にはお金が減ることもありますが、少額から投資をスタートしたことで、徐々に値動きにも慣れてきました。といっても、最初はマイナス数十万円の表示を見ただけで、「私の1カ月分の稼ぎが……」と落ち込んだ経験もありますが。

 30代から投資を始めてよかったことの2つ目は、経済の動きがより身近に感じられるようになったことです。株価や為替は変動しますから、その背景には何が影響しているのだろうと日々のニュースにも敏感になります。経済の動きが自分事になるのは、仕事にもプラスに働くはずです。

 3つ目は、投資する先の会社を訪問したり、経営者の話を聞いたりしたことで、視野が広がったことです。これはお金の多寡だけでない、プラスαの効果でした。

投資がニュースや新聞を読み込む理由にもなります (C)PIXTA
投資がニュースや新聞を読み込む理由にもなります (C)PIXTA

投資は未来の自分へのプレゼント

 さて、投資を始めるメリットを紹介してきましたが、「投資だけ」でお金をふやそうとして日常生活に支障が出るようでは本末転倒です。繰り返しになりますが、「本業で稼ぐ」「支出を抑える」「運用する」の3つはバランスよく、が基本です。

 お金や投資に関する本を何冊か読んでみる、ネット証券に口座を開設してみる、少額で投資を始めてみるという具合に、いくつかのステップを踏みながら、日常生活の中に徐々に投資を取り入れていけるとよいですね。投資家さんの交流会「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」(東京)で、すでに投資を始めている人に話を聞くのもいいかもしれません(私も含めて3名で幹事をつとめています)。

 将来に不安を抱いている方は、今日から資産形成を意識してみましょう。金融資産を育てていくことは今の自分から将来の自分へのプレゼントであり、将来の選択肢を増やすことにつながります。

文/竹川美奈子 写真/PIXTA