「投資」の本来の意味は

 「投資」というと、株式や投資信託といった金融商品への投資を想像するかもしれません。しかし、もっと広い意味で投資を捉えてみてください。

 投資とは、「未来の自分や社会に対してお金を投じる」こと。自分の成長にお金や時間を投じることも大切な投資です。自分に投資をしてスキルアップすることで、稼ぎ力を上げたり、長く働くことができたりすれば、人生を通したリターンは大きくなるからです。

 例えば、本を買って勉強する、週末にセミナーに参加する、ジムに通って体力を付けるなど、成長のために時間とお金を投じることで、できる仕事が増えたり、効率化できたりして、新たに投資できるお金や時間が手に入るかもしれません。目の前の節約や貯金ももちろん大切ですが、長い人生を見据えて、何に投資をすればいいか、ぜひ一度広い視野で考えてみてください。

将来受け取る金額、確認していますか?

 さて、私も今は日常生活の中に普通に投資を取り入れていますが、30歳になった当時は投資とは無縁の生活でした。20代の頃は仕事を覚えるのに精いっぱいで、資産形成についてもそれほど考えていなかったと思います。

 資産形成を意識し、投資を始めたのは、会社を辞めて個人事業主になってから。公的年金が厚生年金から外れて国民年金だけになり、将来受け取る金額を試算したところ、あまりの少なさにがくぜんとしたからです。

 それから20年近くたち、紆余曲折ありましたが、結論からいうと30代から資産形成を意識して投資を始められたことはよかったと思っています。その理由は大きく3つです。