こだわりのバックストーリーに思いを馳せる

モノに対する思い入れには、それぞれバックストーリーがあるものです (C)PIXTA
モノに対する思い入れには、それぞれバックストーリーがあるものです (C)PIXTA

 実は、万年筆もそうなんです。ボクも万年筆は好きで、数本所持しています。これでも、集める衝動を必死に抑えているのですが……。

 さて、その使い分けはというと、通常は、モダンでシャープなデザインのものでメモをとっています。数千円で買えて、便利なんです。でも、著書にサインを求められたり、正式な書類に署名したりする時には、ここぞの一本を。インクボトルから吸い上げて、丁寧に使うもの。ニブといって、ペン先を専門の職人さんに磨いてもらい、太いモノを削りだしてボクの書きグセに合わせて調整してもらった、世界で唯一の思い入れのある一本なのです。

 こういったバックストーリーは、単なるモノである以上に思い入れ。手に入れたときの感動やその後使用した場面が次々と思い浮かんでくることも珍しくありません。貴女がつい反射的に発した言葉は、それらをすべて否定してしまったかも。それが彼の表情に表れてしまったとしたら、悲しいですよね。

 とはいえ、普段の何気ない会話でそこまで気を遣うことなんて、無理。これから気をつければいいだけで、あまり思い悩む必要はないでしょう。これからは「知らない世界があるんだなあ」と思えるくらいになれるといいですね。聞き上手になる絶好の機会を得た、と思えば同僚のウンチク話も楽しめるようになるでしょう。

文/藤村岳 写真/PIXTA

この連載は、木曜日、毎月2回ペースで公開します。下記の記事一覧ページに新しい記事がアップされますので、ぜひ、ブックマークして、お楽しみください!
記事一覧ページはこちら ⇒ 【オトコとオンナの会社マナー学】

【藤村岳さんのFacebook】【藤村岳さんのTwitter】でも発信されています。
フォローすれば、記事公開のタイミングも分かりますよ!