「なりたい私」になるために、オフ時間を上手に使いたいと思う人は多いはず。でも実際のところ、「どうやって時間のやりくりをしているの?」「過ごし方を工夫したら、どんな未来が待っているの?」と思うことはありませんか。そこで今回は、オフ時間を上手にやりくりしている読者に徹底取材。紅茶や旅行業の資格を取得し、転職で新しい道を切り開いたH・Kさんに、「自分時間」を上手に使うコツを伺いました。

資格が転職の後押しになったそう。「チャレンジすれば道が開けていく」と話してくれました (C)PIXTA
資格が転職の後押しになったそう。「チャレンジすれば道が開けていく」と話してくれました (C)PIXTA
<プロフィール>
H・Kさん(38歳)
製造、マーケティング、独身

平日のオフ時間の合計:約2.5時間
休日のオフ時間の合計:約6時間

紅茶の資格取得のために64万円を投資

――昨年、紅茶関連の会社に転職されたと伺いました。なぜ紅茶に関する仕事をしようと思ったのですか?

 「趣味の延長で、以前からオフ時間を使って紅茶の勉強をしていました。そして27歳の時に、『ティーコーディネーター』という資格を取得。海外で働いてみたいと思っていたので、29歳の時にはロンドンの紅茶関連企業で働いた経験もあります。

 これらの経歴を振り返ったときに、『自分は人とは違う経験をしている』ということに気付いたので、この経験を発信したいと思って、紅茶関連の仕事をしようと思いました」

――趣味を極めていったら、それが仕事につながったんですね。ちなみに「ティーコーディネーター」の資格には、どのくらい時間やお金を投資しましたか?

 「週末にティーコーディネーターの講座を受講して、半年くらいで取得しました。かかった費用は、受講料が15万円。講座の開催地が遠方だったので、交通費も15万円ほどかかりました」

――34歳の時には「ティーアドバイザー」という資格も取得されたそうですね。これにはどれくらい投資したのでしょうか。

 「この時は、週1回の講座を1カ月間受講。受講料は8万円でした。講座の受講以外では、休日は試験勉強の時間に充て、スキマ時間に紅茶関連書籍を読んだり、ティールーム巡りやテイスティングの研修を受けたりもしました。

 その他には、紅茶の産地であるスリランカの工場や茶園巡りなどもしたので、その旅行代金が26万円。ティーコーディネーターとティーアドバイザーの両方を合わせると、トータルで64万円ほど投資しました」

――「オフ時間」を使って取得したこれらの資格は、仕事にどのように役立っていますか?

 「紅茶そのものや、業界に関連する法律や流通の知識が深まったので、仕事をする上で必要な知識の習得がすんなりと進みました。資格は自分の知識を第三者に客観的に証明してくれるものなので、お客様からの信頼を得やすかったり、転職の面接にも役に立ちましたね」

――転職前は、銀行関連の会社で外貨両替に関するお仕事をされていたと伺いました。38歳で転職をする時、不安や葛藤はありましたか?

 「もちろん不安や葛藤はありました。ただ、私の周りには、興味のあることを学ぶために学校に通ったり、安定した職を辞めて好きな仕事を始めたりする友人がたくさんいるんです。子どもがいたり、私よりも上の年齢で新しいことに挑戦する人もいて、その人たちがきちんと生活を成り立たせ、イキイキとしている姿を見ると、『年齢や環境は関係なく、チャレンジすれば道が開けていくものなんだな』と思えてきて、背中を押されました」

――実際、転職前と転職後では、どのような変化がありましたか?

 「これまで自分が努力して身に付けてきた知識や経験を認められ、生かせることで、自分に自信が持てるようになりました。自分の人生や今の状況を受け入れ、物事を前向きに捉えられるようにもなったと思います。

 また、転職したことで、海外で働けるようにもなりました。今は国内勤務をしていますが、就業ビザが下りたら、スリランカで働くことになります。スリランカでは、日本に紅茶を輸出・販売するための販路を開拓・拡大していく予定ですが、小売店との契約や宣伝・営業のために、日本にも出張で頻繁に来ることになりそうです」