「ドラッグストアの美白美容液は効かない!?」の思い込み

 洗顔料・化粧水・美容液・クリームのどれか1アイテムに美白化粧品を組み込むなら、美白有効成分の配合量が多い美容液やクリームを選ぶといいでしょう。

 デパート系ブランドの1本1万円以上する美白美容液と、ドラッグストアで手に入るプチプラコスメを比べた場合、価格の高いものは感触が良かったり、使っているときの効果への期待感と高揚感が得られたりという+αがありますが、プチプラコスメの中でも優秀なものはたくさんあります。

 「価格が高いものは効く、安いものはそれなり」ということはなく、皮膚科学的には、どちらも使い続けてこそ効果が発揮されます。

 無理をして高い美容液をケチケチ使うくらいなら、無理のない価格の美容液をたっぷり使う方が効果は高まります。もちろん高い美容液をたっぷり使うなら申し分ありません。

まずは1本を使い切る。美肌サインが現れたら使い続けよう

 「美白効果が高い」と噂のアイテムでも、感触や香りが自分の好みでないと、継続して使い続けることができないので、「毎日気持ち良く使えるかどうか」を基準に選びます

 製品によって、しっとりタイプ、みずみずしいタイプなど、テクスチャーもさまざまなので、購入前には必ず感触を確かめましょう。そして朝晩に使い続け、1本を使い切ってほしいと思います。

 「シミやそばかすが薄くなった」とはっきりと感じられなくても、「なんとなく肌が元気になった」「肌がキレイと褒められた」「化粧ノリが良くなった」といった美肌のサインが得られたら、ぜひ2本目も使い続けてほしいと思います。

効果はじわりじわりと出てくるのです (C) PIXTA
効果はじわりじわりと出てくるのです (C) PIXTA

 というのも、メラニンの生成は急には止まらないため、1本使い切ったくらいでは、シミやそばかすのはっきりとした変化を感じられないことも多いのです。それに対して、「肌のくすみがクリアになる」「肌色がイキイキとする」といった美肌効果は比較的早く効果が実感できるもの。前回記事でもお伝えした通り、メラニンケアだけでなく、こうした美肌ケアも「美白」といえます。

 感触も気に入った「コレ」という1本が見つかったら、じっくり美白ケアに取り組んでみてください。

美白化粧品の選び方・効かせ方のポイントまとめ

●どれか一つを選ぶなら美容液かクリームを
●購入前に必ず試してみる
●成分よりも「感触の好み」で選ぼう
●価格が効果に比例するとは限らない
●2本目、3本目と使い続けること

プロフィール
岡部美代治
ビューティサイエンティスト
岡部美代治
山口大学文理学部理学科生物学卒業後、株式会社コーセー研究所を経て、株式会社アルビオンにて商品開発、マーケティング等を担当。数多くのヒット商品を手がける。現在は美容コンサルタントとして活動し、商品開発アドバイス、美容教育アドバイスなどを行うほか、講演・セミナー活動、雑誌の美容特集などで正しい美容情報を発信している。化粧品の基礎から、製品化までを研究してきた豊富な経験に裏打ちされた美容理論は説得力がある。

文/中島夕子 写真/PIXTA