誰かに加点するには、誰かを減点しなければならない

 3C制度について、社員の方に率直な感想を聞いてみました。

「全員に加点できるわけではないのが難しいところですね。誰かをプラスに評価したいと思うと、誰かをマイナスにしなければいけないんです。最初は少し抵抗がありました」

 そう話してくれたのは、営業部の朝比奈さんです。新卒で入社して4年目。入社前から制度のことを知ってはいたものの、実際に評価するとなると、戸惑いがあったそうです。

「仕事上で接点のない社員のことも評価しなければいけないので、どう判断すればいいんだろうと迷ったことがあります。周りの人たちをよく見ていなければ評価することができませんから、自分の能力も求められる制度ですね。普段からよいところを見つけるようにと意識しています。上司の一方的な評価より、普段一緒に働いている仲間たちからの評価のほうが納得できますし、フェアではないかと思います」

営業部 朝比奈さん
営業部 朝比奈さん

 最初の年はあまり全体が見えていなかったと振り返る朝比奈さん。今は、「あの人はどんな仕事をしているんだろう」と、自然と周りを見渡す癖がついたそうです。さまざまな人と接点を持つようになり、仕事もぐっと進めやすくなったとか。

 とはいえ、自分の仕事を抱えながら他部署にまで目を配るのはなかなか難しいもの。その助けとなるのが、週に一度の全社会議「朝ブリーフィング」。社内共有事項のほか、仕事の成果や、現在の取り組みなどをプレゼンテーションする場です。

「プレゼンは、順番が回ってくるのではなく、立候補制です。自分からプレゼンの時間をもらっているので、『これを伝えたい!』という熱を感じます。みんなどんどんプレゼンがうまくなっているんですよ」

 そう教えてくれたのは、中途入社4年目、営業部の平井さんです。以前の会社とは全く違う評価制度だと思いますが、抵抗はありませんでしたか?