退職金前払い制度で自分に投資を
同じ理由から、退職金前払い制度を導入して、若いうちから資金計画を立てやすいサポートもしています。会社に頼るのではなく、自主性を持って自分の人生をハンドリングできる力を身に付けてほしいと思っています。
――「社員に後悔させたくない」という思いが、すべての制度の根幹にありそうですね。毎日1時間の「朝ゼミ」も、社員の皆さんの自主性を重視してのことなのでしょうか?
はい。経営者と同じ目線で考えて仕事を自主的に進められる人材が育つことが、組織の強さに直結します。「スイミー」という絵本によく例えるのですが、一人ひとりは弱い存在であっても、同じ方向を向いて進むことができれば大きな魚にも勝てる。私たちはそんな組織を目指したいんです。
同時に、学ぶ機会を持つことは社員自身の人生にとってもプラスになるはずです。いつかこの会社を出て転職するようなことがあっても、高く買ってもらえる人材になってほしい。私の会社で与えられる経験やノウハウはどんどん盗んで、例え外に行ったとしても生かしてほしいんです(「でも離職率が低いから、そんな機会もあまりなさそうなんですけどね(笑)」と、話を聞いていた社員の女性)。
――最後に、ストレスオフ組織づくりを始めてみようと考える人に向けて、アドバイスをお願いします。
一番大事でかつ難しいのは、「空気を変えること」だと思います。有休取得率が低い組織がいきなり「もっと休もう!」と施策を打つには工夫が必要。
私の場合は、「ファミラブ」といった共通言語を作って、社内で使う頻度を増やしたり、「手帳」「ギフトカード」などの実際のアイテムというビジュアルに落とし込んだことで浸透を促進していきました。
ささやかな取り組みではありますが、ぜひどんどん他社にもまねしていただいて、「ストレスオフ組織」を流行させていくのが私の夢です。
文/宮本恵理子 写真/編集部
URL:http://mediplus.co.jp/
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