希望価格に近付ける不動産会社を探せ
不動産を売りたいと考えたとき、査定額の低さにびっくりすることはよくあるもの。特に新築物件は、買った瞬間に2割値下がりするといわれています。
優子さんのケースは、ローン残債と売却額が同じくらいになるように売るのが目標になります。そうなると、「いくらで売りたいのか」をしっかり決め、その金額で買ってくれる不動産会社を探すことがベストなやり方です。
優子さんの家の査定額は1000万円ですが、どうしても2000万円にしなくてはなりません。優子さんには、私の知り合いの不動産会社を紹介しました。
この不動産会社は社長同士の強いネットワークを持っていて、困ったときはお互い声を掛け合っていました。一般的な査定額は低くても、ネットワークを通じてその物件を欲しいと思う人が見つかれば、希望価格あるいはそれに近い価格で売買が成立することがあります。
そして、優子さんの物件は、少し時間はかかったものの、ネットワークでなんとか希望通りの価格で買ってくれる不動産会社が見つかりました。また、こだわりの輸入家具は泣く泣く手放しましたが、中古家具市場では、机はなかなかよい値がついたようです。
こうして優子さんは夫に気付かれず、不動産を処分することができました。
優子さんの場合、家を買うときも、結婚するときも、あまり先のことを考えていなかったことが今回のトラブルの誘因になりました。もっと借り手のつきやすい家にしていたら、また別の結末になっていたでしょう。
しかし、家を買ったことで結婚につながったという可能性もあります。
というのも、実は家を買った途端に、「結婚することになりました!」と女性から報告が入るケースが非常に多いからです。
私の仮説ですが、家を買うと女性はモテるようになるのではないかと思うのです。というのも、女性が結婚に焦っている時は彼氏ができにくいのに、「もう一生独身でいい!」と腹をくくって家を買うことで、一気に心に余裕が生まれるから。もしかすると、その余裕が女性の本来の魅力を引き出し、男性の目が変わるのかもしれません。
結婚しないと思っていても、出会いは突然やって来ます。家を買うときは、ちゃんと「家を売る」ことも想定しておいてくださいね。
今回の学び
聞き手・文/相馬留美 イラスト/北村みなみ