ローン残債>査定額の家…夫に隠れて処分したい!

 ついの住み家として購入した物件でしたから、賃貸や売却のことは全く考えていなかった優子さん。一人で暮らすのは最高でしたが、いざそういう目線で見てみると、なかなか厳しい物件だと、その時初めて気付いたようです。なにせ郊外の駅で、さらに駅からも遠い物件。その上一人暮らし用なのに広々としたマンションですから、借り手が全く見つかりません。

 そうなると売却しないといけないのですが、2000万円の残債があるというのに査定額はたったの1000万円! これでは大損です。

 さらに悪いことに、実はこの家で優子さんが最もこだわったのはインテリア。ヨーロッパからこだわりの家具を購入し、なんとその家具の総額は1000万円! 家具なら新居に移せばいいのでは? と思うかもしれませんが、90平方メートルの家に優雅に置けるサイズの家具でしたので、新居の社宅(50平方メートル)には大き過ぎてそもそも入りません。プロジェクターを設置し、映画をスクリーンで楽しむような自慢のリビングでしたが、それらも社宅には入らず、この家に置きっ放しにしていました(椅子だけは持っていったようですが……)。

 優子さんの夫は、彼女が家を持っていることは知っていましたが、「借り手がついているから大丈夫」という彼女の言葉を信じていたそう。もちろん家具に大枚をはたいていたことも知りません。

 優子さんは借り手がつかないことや売却ができないことを隠したまま、当初はなんとか貯金で家のローンを支払っていました。ですが、専業主婦になってしまった優子さんにとって、月10万円を支払い続けるストレスは思った以上に大きいものでした。貯金がなくなっていく恐怖に耐えられず、半年たったところで、「高山さん、なんとかなりませんか(泣)」とやってきたというわけです。

 だから初めにアドバイスしたのに~! とは思いましたが(笑)、こうなったらやるしかありません。旦那様にはバレないよう、家の売却作戦を練ることになりました。