あなたの夢は何ですか?
図書館に通い詰め、レシピを見つけては試し、自己流で節約レシピを作っているというみのりさん。そこで、どんな料理が得意? と聞くと、迷わず「スコーン」と答えたのです。
実は彼女はスコーン作りではプロ級の腕前で、いつか販売できたらいいなと、こっそり夢見ていたのでした。
そんな彼女に私はこう提案しました。
「料理教室に行ってみたら?」
彼女に足りないのは、お金ではなく仲間だと感じた私は、知人が開いているパン教室を彼女に紹介しました。その知人はフランスで修業したプロであるため、その教室には本格的にパンを学びたい人が集まっています。ですから、みのりさんが物足りなさを感じることもないと考えたのでした。
貯金額については問題ないとほっとした彼女は、ようやく外に目を向けることができたようでした。
そこで、習い事を始めてみようと一念発起。書籍代をちょっと減らして月2回1万円をパン教室代に充てることに決めました。
その後、彼女はパン教室で料理の面白さに開眼。教室では「スコーンの女王」として一目置かれ、同じ趣味を持つ友達がたくさんできたようです。
最近では、「さらに料理の腕に磨きをかけるため、海外留学も考えている」と、メールを送ってきてくれました。みのりさんの外の世界への扉が一気に開いたことに、私も本当にうれしくなってしまいました!
ちなみに、料理教室の友達はみんな彼氏がいるそうで、みのりさんも刺激を受けているとか。初めての彼氏ができるのも時間の問題かもしれません。
いくらお金をためていても、生きていくための前向きな力は生まれにくいもの。友達付き合いや趣味など、外の世界と向き合うことが活力につながるのかもしれませんね。
今回の学び
聞き手・文/相馬留美 イラスト/北村みなみ