海外編

 続いて海外編をご紹介しよう。オトクなLCCを利用して、浮いた分はショッピングやおいしいものを食べることに充てたいもの。さらにLCCを乗り継ぐことができれば、より上級者な使い方だと言えるだろう。

台北

 LCCで海外へ行くなら手堅いのは台湾だろう。気候がよくて、治安上の不安も少なく、何より食事がおいしい。夜市を巡って、アジアらしい活気に触れられるといい刺激になるはずだ。

 首都圏では成田だけでなく、羽田からもピーチなどが便を就航しており行きやすい。近年は日本人の海外旅行先として、台湾がハワイを抜いて1位になったという調査結果も出ている。LCCの存在がその立役者になったのは間違いないだろう。

 台北市内だけでも十分に楽しめるが、日帰りで足を少し延ばすのもオススメだ。郊外のスポットとしては以前は九分が人気だったが、近年はランタン(熱気球)祭りの十分が注目を集めている。

主な就航LCC

羽田:ピーチ/タイガーエア台湾
成田:バニラエア/ジェットスター/スクート/タイガーエア台湾
関西:ピーチ/バニラエア/ジェットスター/タイガーエア台湾
中部:ジェットスター/タイガーエア台湾

ホーチミン

 東南アジアの国々はそれぞれ魅力があるが、個人的に今イチオシなのがベトナムだ。ホーチミンへは台北から乗り継ぐ形でバニラエアが就航している。道路を埋め尽くすバイクの群れに圧倒されながら、道端の屋台でフォーをすするのも楽しい体験である。

 一時期ブームになったベトナム雑貨は今も健在で、周辺国と比べてセンスのいい雑貨や洋服などが充実している印象も受ける。買い物好きの女性には特にオススメの旅先だ。

 南北に長細い国では、北と南で気候や食文化などが異なるところも興味深い。関空発のみだが、ジェットスター系LCCが北部のハノイと中部のダナンへの便を就航することも決まった。

主な就航LCC

成田:バニラエア(台北経由)

クアラルンプール

 隣国のタイやシンガポールと比べると、旅先として決め手に欠けるという意見も聞く。これといった観光名所はないし、話題のご当地グルメなども少ない。

 ところが、行ってみるとこれが案外、居心地がいいのがクアラルンプールだ。都市機能がしっかりしている一方で、高級ホテルが相場よりも安かったりと、コストパフォーマンスの高さも特筆したい。要するに、穴場である。

 LCCの雄、エアアジアグループの拠点であり、まさにLCC向けの旅先といえる。中上級者ならば、乗り継いでペナンやランカウイといったマレーシア国内のリゾートへ足を延ばすのもオススメ。

主な就航LCC

成田:エアアジアX
関西:エアアジアX

文・写真/吉田友和