機内販売は名物スイーツが狙い目

 離陸してしばらくすると、客室乗務員がワゴンを押してやって来る。機内販売である。

 JALやANAではお茶やコーヒーなどの飲み物が無料で振る舞われるが、LCCではすべて有料だ。あらかじめ空港などで買って持ち込んでもいいが、せっかくの機会だから何か注文するのも旅の思い出になるだろう。

 機内販売はLCCの収益源の一つで、各社力を入れている。空の上でしか食べられないユニークな限定商品もあるので、チェックしておきたい。

 例えばバニラエアではクリームパンが名物になっているし、ジェットスターでは成田の老舗和菓子店とコラボして公式キャラの焼き印が入ったどら焼きを販売している。飛行時間の短い国内線だけに、こういったスイーツ類は手頃でちょうどいい。

 飲食物を持ち込む際には、アルコール類だけは航空会社によって対応が異なる。ピーチは持参したお酒を飲んでもいいが、ジェットスターやバニラエアでは禁止事項となっている。

 機内販売では飲食物の他に公共交通機関のチケットなども売られている。到着した空港から街まで出る列車やバスの乗車券で、定価よりも割り引かれているものもある。機内で買っておけば、着いてすぐに行動できるから時短になるだろう。

ピーチの機内販売でオススメの「ピーチアイスミルク」
ピーチの機内販売でオススメの「ピーチアイスミルク」

 その他、娯楽要素に関してはLCCでは残念ながら期待できないと思っていい。

 ピーチでは、以前は映画がダウンロードできる乗客専用のアプリなども提供していたが、現在はコンテンツの配信が止まっているようだ。機内での暇つぶしに映画や音楽、ゲームといったエンターテインメントを楽しみたいならば、各自で用意するのが得策だろう。

 これはどちらかといえば国際線の話になるが、以前と比べて飛行機のシートモニターの有無が気にならなくなってきた実感もある。スマホやタブレットが普及したことで、それらがフライト時における格好の暇つぶしグッズになっているからだ。搭乗前には見たい映画などをあらかじめダウンロードしておけばいい。

 レガシーキャリアでは近年、機内でのWi-Fiサービスが当たり前になってきている。空の上でまでネットをしなくても……などと当初は冷めた感想も持ったものだが、試しにつないでみるとこれが結構便利で重宝している。国内線のLCCでは今のところWi-Fiには非対応である点は、念のため付け足しておく。

文・写真/吉田友和