LCC専用の成田空港第3ターミナルはこんなに快適

 成田空港の第3ターミナルが開業したのは2015年4月のことだった。LCC専用をうたう施設だ。国内線のLCCではピーチのみ第1ターミナル南ウイングに発着するが、ピーチ以外のLCCはすべてこの第3ターミナルに集まっている。

 第3ターミナルは第2ターミナルの近隣に位置し、両ターミナル間には連絡通路が設けられている。ただし、徒歩だとかなりの距離を歩くことになる。

 第3ターミナルには鉄道駅はなく、JRや京成電鉄で成田空港へ到着した場合には、第2ターミナルを経由しなければならない。旅行のときはそれなりに荷物もあるわけだし、このターミナル間移動がおっくうだったりする。

 前述した格安バスだと第3ターミナルに直接乗り入れられるので、第3ターミナルを利用するときはとくにバスが便利だ。

第2ターミナルと第3ターミナルを結ぶ連絡通路
第2ターミナルと第3ターミナルを結ぶ連絡通路

 LCC専用というだけあって、ターミナル内は派手な装飾などもなく簡素な造りだ。見方によっては、まるで倉庫の中のような雰囲気だともいえる。

 とはいえ、空港内の設備はしっかり整っているので安心していい。銀行のATMはあるし、コインロッカーも授乳室もある。ショップのラインアップも結構豊富で、個人的にはコンビニやドラッグストア、書店はとくに重宝している。

 特筆すべきは、フードコートの存在だろう。広々とした空間にテーブルがずらりと並び、飲食店のカウンターが軒を連ねる。うどんや寿司、お好み焼き、ハンバーガーなど種類も豊富だ。座席数は450もあるという。いつ行っても混んでいる印象だが、座れなかったことはない。早めに空港に到着して、搭乗までここでリラックスするのもオススメだ。

使い勝手のいいフードコート。保安検査場の先には飲食店はないので、食べるならここで
使い勝手のいいフードコート。保安検査場の先には飲食店はないので、食べるならここで

 第1ターミナルや第2ターミナルと比べると、第3ターミナルは目に見えてこぢんまりとしている。国際空港らしい華やかさとも無縁だ。

 けれど、だからこそ居心地はいいなあという感想も持つ。必要最低限のものがコンパクトにまとまっているし、導線もシンプルで分かりやすい。一言でいえば、機能的な空港である。