ライフスタイルによって友情も変わっていくもの

 「女性は専業主婦、ワーキングマザー、仕事にまい進するキャリアウーマンなど、生き方やライフスタイルが多様化しています。その中で女友達と話が合わず、疎遠になるのは仕方がないんです。『また、いずれ話が合う時もやって来る』と大らかに構えて、年賀状1枚の付き合いを続けておけばよいと思いますよ。私も20代の時には全く価値観が合わずに苦手だった女性と、40代になってお互いに親を亡くしたり、子育てを通じて話したりするようになって分かり合えたことがあります」(水島さん)

 確かに読者アンケートでも「また時期が来たら付き合いも復活するので問題ない」、「会いたいときはすぐ会える、お互いの環境の違いを乗り越えられると思っている」と未来に望みをつなぐ声が上がっていました。

ちょっと気をつけたい友情とは?

 ただ、「男性によって左右される人」との友情は続きにくいため、注意が必要です。

 「付き合う男性が最優先になり、態度を変えてしまう人との友情は続きにくいですね。私も中・高時代の親友が、交際相手に洗脳されてしまったのかと思うぐらい人が変わり、疎遠になってしまった苦い経験があります。ただ、恋愛も『初めての恋愛』では相手に夢中になるのは当然のことなので、大目に見てあげましょう。出会って、付き合って、別れまで経験する。それでも次の恋愛で同じように女友達に失礼な態度を取る人は『女度』が高いので、友情は続きにくいですね」(水島さん)

 女度とは、恋愛すると人が変わってしまう、他の人に嫉妬する、人と誰かを比べたがる、すぐに群れたがる……こういった女性にありがちな「イヤな部分」が全面に出てしまう状態をいいます。

 「もし、女友達が彼氏を優先して自分との予定をドタキャンした、彼氏自慢をしてきた……といった態度を取ってきたら、『彼女は今、女度がすごく高くなっているんだな』と冷静に見るようにしましょう。そこで『そんなことしていると友達をなくすよ』と説教めいたことを言うよりも、ずっと自分の心がラクでいられます。そして、女友達の女度が下がったときに付き合いを続けたければ、また普通の友達に戻ればよいのです」(水島さん)

イラスト/六角橋ミカ
イラスト/六角橋ミカ

 読者アンケートでも「あなたは友人や同僚の結婚を素直に喜べなかったことはありますか」という質問に、「夫のスペックでマウンティングしてくるようになったから」、「知らない男に、大事な友人たちが奪われていくような気がした」といった回答があり、恋愛によって変わってしまった友達の姿を垣間見ることができました。

 男性よりも長い、女性の一生。女性同士の友情も、さまざまな曲折を乗り越えつつ、長く続けていきたいものですね。

 四六時中べったり一緒にいるのではなく、付かず離れず心地よい関係を築き、必要なときに支え合うことが大切なのかもしれません。

取材・文/三浦香代子 イラスト/六角橋ミカ

この人に聞きました
水島広子
水島広子(みずしま・ひろこ)さん
精神科医、元衆議院議員。慶應義塾大学医学部精神神経科勤務を経て、衆議院議員として児童虐待防止法の抜本改正などに取り組む。主な著書に10万部を超えるヒットとなった「女子の人間関係」(サンクチュアリ出版)、「女に生まれてよかった。と心から思える本」(朝日新聞出版)などがある。