ほのかな塩味食材レシピ

 「塩気がないのはどうしても寂しい」という人は、昆布やワカメ、のりなどの海藻を活用してみよう。食材自体に微量の塩分を含むうえ、海藻ならではのうまみや磯の香りで塩味の薄さをカバーしてくれる。

 しかも、海藻類に多く含まれる水溶性食物繊維(アルギン酸)には、カリウムと同様に塩分(ナトリウム)の排出を促す働きがある。フジッコ研究開発部の戸田登志也部長によると、「アルギン酸はミネラルと結合しやすい性質があり、食材の中ではナトリウムやカリウムなどと結合している。胃に入ると胃酸の影響でこの結合が切れ、その後、小腸でナトリウムと再び結びついて排出される」。

ざく切りキャベツと根菜の和風ポトフ

野菜の水分を生かして水は少なめに。「鍋底にだし昆布を敷いて煮るだけで簡単。なのに、豊かな味わいが出ます」(庄司さん)。

<成分>(1人分)
カロリー226kcal、食塩0.8g、カリウム2150mg

<材料>(1人分)
カブ…1個(100g)
ニンジン…小1本(80g)
里芋…小2個(120g)
ニンニク…1片
キャベツ…1/6個(150g)
昆布(10cm×10cm)…1枚
水…200ml
酒…50ml

<作り方>
1.カブ、ニンジンは皮をむく。里芋は皮をむいてゆでこぼし、ぬめりを取る。ニンニクは半分に切る。

2.鍋に昆布を敷いて1とキャベツを並べ、水と酒を注いで中火にかける。煮立ったら弱火にし、野菜が柔らかくなるまで30分ほど煮込む。

ネバネバ野菜と納豆ののりサラダ

カリウム豊富なネバネバ食材のオクラと納豆と山芋を合わせたサラダ。最後に焼きのりをたっぷり散らして食べて。食物繊維でお通じ改善効果も期待できる。

<成分>(1人分)
カロリー291kcal、食塩0.1g、カリウム1375mg

<材料>(1人分)
山芋…200g
オクラ…5本(50g)
納豆…1/2パック
ゴマ油…小さじ1
焼きのり…1枚

<作り方>
1.山芋は皮をむいてゆでて粗くつぶす。オクラはさっとゆでて小口切りにする。

2.焼きのり以外の材料をボウルに入れ、さっくり混ぜる。ちぎった焼きのりを入れて混ぜ込み、皿に盛りつける。

この人たちに聞きました
庄司いずみ
庄司いずみさん
野菜研究家
主宰の「庄司いずみベジタブル・クッキング・スタジオ」では、野菜料理教室を不定期で開催。近著『スーパー大麦ダイエットレシピ』(永岡書店)も好調。「教室の生徒には、顔のむくみもとれ、体重以上にスッキリしたと喜ばれています」。

林 松彦
林 松彦教授
慶應義塾大学病院 血液浄化・透析センター センター長
専門は腎臓内科、透析医学、血液浄化療法など。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医・指導医ほか。「腎臓に障害がある人はカリウムを排出できないので、カリウムの多い野菜をとるのは避けましょう」。

取材・文/渡辺満樹子 写真/鈴木正美 レシピ考案・料理/庄司いずみ スタイリング/宮澤由香 栄養計算/原山早織(食のスタジオ) イラスト/三弓素青 構成/平野亜矢(編集部)

 

日経ヘルス2015年11月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります