バランスの良い食事を摂りたいと意識しながらも、なかなか難しいのが実際のところ。また、欲求に沿ったものを食べたいという気持ちもあります。そんな現代人の食生活に併せるように、一つあたりの栄養素の含有量を増やした「高機能野菜」が生まれています。その摂取のメリットと、最新情報をお届けします。

若々しさのキーワードは「抗酸化」

 オリンピックの金メダリストでマラソンランナーの高橋尚子さんの栄養指導を行っていた管理栄養士の新生暁子さんは、「アンチエイジングは老いにあらがうのではなく、いつまでも若々しく、美しく、健康でいることを続けていくこと」と言います。そこで重要なのが、「抗酸化力」を高めることなのだそうです。

管理栄養士の新生暁子さん
管理栄養士の新生暁子さん

 抗酸化力とは、体内を酸化させてさまざまな病気を引き起こす原因となる「活性酸素」を抑える力のこと。

 「高橋尚子さんは、練習中は一番長い時で約80km走っていました。やはり、走れば走るほど、活性酸素が増え、体の中は酸化してさびていってしまっています。マラソンブームの昨今ですが、健康でいることにはつながりながらも過酷な条件にもあるわけです」と高橋さんの例で説明する新生さん。

 「活性酸素を作り出してしまう要因は、紫外線や喫煙、環境ホルモン、ストレス、栄養素の不足など、生活習慣を見直して自分でコントロールできるものもありますが、できないものもあります」(新生さん)

 そうなると、抗酸化力をつけていくことも大切。活性酸素を作ることを防ぐ、すなわち抗酸化力をつけるために、「ファイトケミカル」という物質の摂取が注目されているそうです。