栄養素を効率的に摂取できる「高機能野菜」

 抗酸化力を高める食材を摂取したいのはやまやまですが、毎日忙しく働いている女性はそれを意識することは容易ではありません。

 そんな人に朗報なのが、もともとの野菜に含まれる栄養素を、研究と開発によっ て効率よく摂取できるように増大させた野菜である「高機能野菜」です。

 では、高機能野菜にはどんなものがあるのでしょうか? いま注目されているものとしては、トマトの「高リコピントマト」と玉ねぎの「さらさらゴールド」という商品があります。

カゴメの「高リコピントマト」
カゴメの「高リコピントマト」

 「高リコピントマト」は、一般的なトマトの1.5倍のリコピンを含んでいます。高リコピントマトを開発・販売しているカゴメの自然健康研究部・堤 彩香さんは、リコピンは体のなかで作ることができないので、食べ物で摂取するしかないと説明。

 「体の中に取り入れたリコピン成分は血液にのって、肌に蓄積するということが分かっています。日本美容皮膚科学会の調査によると、リコピン16mlを含むトマトジュースを160mlを毎日飲んだ結果、目の下のシワが減少したという報告も出ています」(堤さん)

 また、加熱調理したり油と一緒に摂取したりすることで、リコピンの吸収率を上げることができるそうです。

北海道北見で生産されている玉ねぎの「さらさらゴールド」は、機能性表示食品に申請中
北海道北見で生産されている玉ねぎの「さらさらゴールド」は、機能性表示食品に申請中

 一方の「さらさらゴールド」は、高ケルセチンの玉ねぎです。

 収穫年によってケルセチン量の上下があった玉ねぎを品種改良し、安定して高いケルセチン量を含むさらさらゴールドを開発したのは、植物育種研究所の岡本大作さん。

 「これまでの品種改良というのは日持ちや収穫量の多さなど、主に生産者や流通での利便性に重きを置かれていました。しかし、野菜のなかでも玉ねぎのケルセチンの量は多いですが、そのなかでもより多くのケルセチンを含んだ玉ねぎを食べたいと思う人は多いはず」と玉ねぎの健康機能に着目して開発したと言います。

 さらさらゴールドの100mg当たりのケルセチンの含有量は約100mg。玉ねぎの産地として知られる淡路産の玉ねぎが約10mgなので、雲泥の差です。

 農林水産省の野菜・茶機能性研究チームによると、ケルセチンはポリフェノールの一種で、がん・動脈硬化・糖尿病などの生活習慣病の予防に重要な役割を果たすと期待されているそうです。

 玉ねぎに含まれるケルセチンは半年間の保管でも成分は変わらず、調理中に少なくなることはないものの、水溶性の成分のため水にさらして使わないほうがいいそうです。また、加熱に強い成分で、油と一緒に摂取すると吸収性が高まります。

 次のページでは、「高ケルセチンと高リコピンで体の中からきれいになる」をテーマに、メディアでも活躍中のイタリア料理研究家のベリッシモ・フランチェスコさんによって提案された「オニトマレシピ」をご紹介します。

イタリア料理研究家 ベリッシモ・フランチェスコさん
イタリア料理研究家 ベリッシモ・フランチェスコさん