「美しい人」「仕事ができる人」になるためには、何が必要でしょうか。実は「食べ方」を変えるだけで、本来の機能や美しさを引き出すことができます。必要な食材を摂取しながら健康的にダイエットができたら理想的ですね。大人のダイエット研究所の代表理事で、フードプランナーの岸村康代さんが、忙しいときでもしっかり自炊できるコツを伝授してくださいます。

 忙しい毎日、料理に時間をかけられない、短時間で済ませたい、という場面も多いと思います。例えば、出勤前の短い時間でお弁当を作るとき、あるいは、残業後に帰宅が遅く少しでも早く夕食を取りたいとき。

 時短だけを考えれば市販の冷凍食品やレトルト食品で済ませるという方法もありますが、それだけでは栄養が偏りがち。ダイエット中であればなおさらもう少し気を配りたいものです。そんなときのために、手早くズボラに、おいしい「やせるメニュー」を作る方法をお教えします。

やせるメニューに入っている三大要素とは

たんぱく質、食物繊維、野菜を組み合わせたメニューを意識して (C)PIXTA
たんぱく質、食物繊維、野菜を組み合わせたメニューを意識して (C)PIXTA

 やせるメニューのために必要な一番のポイントは、「たんぱく質」「食物繊維」「野菜」をしっかり摂ること。

 「たんぱく質」は、体の中でもエネルギーを一番多く消費する「筋肉」を落とさないためにも必ず摂りたい栄養素。美しい肌にも欠かせず、内臓や骨、ホルモンをはじめとする体のあらゆる組織の材料となります。また、食事をすることで生み出されるエネルギー消費量が一番高いのもたんぱく質なので、ダイエット中でも不足しないように気をつけることが大切です。

 量の目安は、だいたい「手の平1枚分」を毎食とるイメージ。卵なら1個、納豆なら1パック、お肉ならちょうど「片方の手の平(指を除いた手の平の部分)」ほどの厚みと幅が目安になります。

 また、もう一つのポイントである「食物繊維」は意識しないとなかなか摂れず、不足しがちですが、ダイエットにも欠かせない栄養素です。

 昨今、腸内環境と肥満の関係が研究され注目されており、腸内環境を整えることが重要視されています。食物繊維は、腸内環境を改善してくれるので、肥満予防に役立ちます。また、血糖値の急激な上昇を抑える働きもあり、その結果、脂肪を貯め込む作用のあるインスリンが過剰に分泌されるのを防ぎ、Wの効果で肥満予防につながります。

 さらにもう一つのポイントとなる「野菜」は、いくつかの食材が並んだ中で最初に食べる「ベジタブルファースト」を意識すると、これも血糖値コントロールに役立つだけでなく、ビタミンやミネラルなどの栄養バランスも整いやすくなります。

 これら三つの利点は、すべて「満腹感」を感じやすくさせてくれて、とても腹持ちのよい栄養素や食材であること。面倒な栄養計算をしなくても、毎日の食事にナチュラルに取り入れることにより、栄養のバランスも整いやすくなります。