食物繊維不足の今、和食が大事な理由

 岸村さんがズボラレシピコンテストのテーマに「和食」を加えたのは、日本古来の食材に食物繊維が豊富だからだそう。表彰状を授与した農林水産省 食料産業局 食文化・市場開拓課長の西経子さんは、健やかに長生きする秘訣は和食にあると話しました。

農林水産省の西経子さん
農林水産省の西経子さん

 「今回の入賞レシピも、とろろ昆布やひじき、そしてご飯物に汁物がありました。和食はご飯、お菜、汁物で、一度で多様な食材をバランスよく取れる食事です。しかも日本人にとって和食は、いつもの食卓でちょっとした伝統文化に触れられる貴重な機会。サツマイモやエノキなど、秋の食材を食べれば日本の四季の移り変わりを感じることもできます」(西さん)

 毎日たった1分でも丁寧に食と向き合うことで、何気ない生活が充実した日々に変わります。食の総合コンサルタントである小倉朋子さんは、時間がないときほどあえて食と向き合っているとのこと。

 「『まいっか』という食べ方をするとやがて『まいっか』という人生になってしまいます。食材を扱ったり料理を食べたりするのは短時間かもしれませんが、自分を振り返る時間は癒やしのひとときになりますよ」(小倉さん)

 家事や仕事に追われているとついつい「満腹になればいいや」と手を抜きがちな食事。食物繊維が豊富な食材は、簡単に使えて味もぐっと良くなる便利なものばかりです。毎日の生活も食卓も、少しずつ自分に優しいものに変えてみませんか?

文/華井由利奈 写真/大人のダイエット研究所、編集部

修正履歴:登壇者の肩書を一部修正しました(2017年10月22日)