秋と言えば食欲? それともダイエット? 実は今、その両方をサポートする栄養素が注目を集めています。満腹感を味わいながら体の不調の改善にもつながるもの、それは食物繊維。食物繊維を使ったレシピを募集した「ズボラレシピコンテスト」表彰式、医師や食の知識人が集結したスペシャルトークショーの情報と併せて、忙しい毎日でも簡単に食物繊維を「ちょい足し」できる方法をご紹介します。

トークショーの模様。左から出席者の医師の池谷敏郎さん、フードスタイリスト・料理家の祐成陽子さん、食の総合コンサルタントの小倉朋子さん、野菜・果物研究家のKAORUさん、大人のダイエット研究所代表理事で管理栄養士の岸村康代さん
トークショーの模様。左から出席者の医師の池谷敏郎さん、フードスタイリスト・料理家の祐成陽子さん、食の総合コンサルタントの小倉朋子さん、野菜・果物研究家のKAORUさん、大人のダイエット研究所代表理事で管理栄養士の岸村康代さん

日本人女性は食物繊維が30%も不足!

 日本の若年女性は1日に必要な食物繊維のうち70%の量しか取れていないということ、ご存じでしたか? 「大人のダイエット研究所」によると、食物繊維の目標量は男性20グラム以上、女性18グラム以上。24グラム以上を取ればさまざまな病気の予防に効果的だといわれています。

 でも実際の摂取量を調べてみると、平均値は20代女性でたった11.9グラム。働く女性が気軽に行けるコンビニや飲食店では、必要な食物繊維を取るのが難しいのが現状です。

 食物繊維が多く含まれているのはどことなく地味で扱いにくそうなものばかり。雑穀、玄米、大豆、海藻、ごぼうなど、普段の食卓にはなかなか登場しない食材が挙がります。

 「食物繊維が体にいいとしても、忙しい毎日の食生活をいきなり変えるのは難しそう……」思わずそんな本音が漏れてしまいそうなハードルの高さ。でも実は、スーパーマーケットに売っている手軽な食材で、誰でも簡単に食物繊維を「ちょい足し」する方法があるんです。

 その方法を「大人のダイエット研究所」代表理事の岸村康代さんに教えていただきました。サプリメントを使わず、身近な野菜から健康効果の高いナチュラル繊維を摂取できるのだそうです。

働く女性の味方「繊活」って何?

食物繊維が豊富な食材たち――ぜひ毎日食べたいものです
食物繊維が豊富な食材たち――ぜひ毎日食べたいものです

 岸村さんは体の中でいい働きをしてくれる食物繊維を積極的に摂取する「繊活」を広める活動をしています。なぜ今、仕事や家事で毎日忙しい女性に食物繊維がおすすめなのでしょうか。岸村さんは3つの理由を挙げています。

1.腸内環境を正常化し、メンタル面をサポート

 食物繊維は善玉菌がすみやすい環境をつくるほか、善玉菌のエサとなって腸内環境を整えてくれます。近年、様々な研究により腸内環境がメンタル面に影響を与えていることが分かりました。

2.食後の睡魔にサヨナラ、血糖値の上昇の抑制

 食物繊維には眠気の原因となる食後血糖値の上昇を抑制する働きがあります。最近は野菜を最初に食べる「ベジタブルファースト」に代わって、食物繊維を最初に食べて血糖値の上昇を抑える「食物繊維ファースト」にも注目が集まっています。

3.腹持ちのいい食材でダイエットをサポート

 食物繊維を多く含む食品は、胃で水分を吸収してかさを増したり、消化のスピードを緩やかにして満腹感を感じさせたりすることができる栄養素。食後の高血糖を防ぐことで、体脂肪の蓄積を抑えるともいわれています。

 さらに、「繊活」を推奨する医師の池谷敏郎さんは、「腸内環境を整えて内臓脂肪を減らすと、血管がしなやかになるといわれています。血管は体の隅々まで養分を運ぶため、栄養が全身に行き渡れば各所で起きている炎症を改善することも。『繊活』は肌の美化にもつながりますよ」と語りました。