6万人以上の足を見てきた“足と靴のスペシャリスト”である中野フットケアコンフォートセンター代表の福岡宜子さんは、何よりもまず自分自身の足について知ることが大切だと言います。そこで、最終回では編集Oが実際に足の検査を体験! 足の悩みは解決できるのでしょうか。


「足が痛くてヒールが履けない!」

 東京・中野にある中野フットケアコンフォートセンターでは、外反母趾や足指の痛み、魚の目など、様々な足の悩みを受け付け、それぞれの人に合った解決法をレクチャーしてくれます。

 まずはカルテを記入。編集Oの悩みは「外反母趾気味で、足が靴に当たって痛くてヒールが履けない。特に指が痛い」というもの。仕事上、どうしてもヒールを履かなければいけない日には、最寄り駅で靴を履き替えて……という事情を話していると、福岡さんは諭すような穏やかな口調で返します。

 「足のどこかが痛いとしたら、その真の原因はその箇所以外に多々あるのです。その場しのぎで幅が広いだけの靴を履いているだけでは、症状はますます悪化してしまいます。大事なのは、自分の足の状態を知ること。さっそく検査をいたしましょう」

正しい靴選びは足の実寸を知ることから

 まずは案内されたフットバスへ。殺菌作用のあるミルクと微細な気泡で、足を清潔にし、筋肉の緊張をゆるめます。まさに夢心地……。

「フットバスをしただけで、足が明るくなった気がします」(編集O)
「フットバスをしただけで、足が明るくなった気がします」(編集O)

 数分後、ふかふかになった足の水気を取った後、ソファに座ると、福岡さんによる足の骨格触診が始まります。

 足首から下、足指の先まで、隈なく細やかに触りながら、先生が口にするのは「…センター…カーブ…」と英語と数字が連続した呪文を唱えるような“診断”。

 その結果を隣に控えたスタッフの方がもれなく聞き取り、カルテに書き込んでいっています。片足で1分ほどの早業でしたが、足を構成する26個の骨すべてのつき方をチェックして、先天的な問題がないかを診断しているそうです。「問題ないですよ」という結果にホッと一安心。

 骨のつき方に問題がないことが分かったら、次は正確なサイズの測定へ。国際基準の測定器を使います。

 「自分の足の“実寸”を知っておかないと、正しい靴のサイズは選べません。欧米と違って日本のメーカーのサイズ設定は極めてアバウト。長さと幅の両方を測ります。あなたの実寸の長さは右が23.0cm、左が22.75cm。0.25cmは誤差としてよしとされますから、両足とも23cmの靴を選んで問題ないですよ。厚手のタイツや靴下を履くなら、プラス0.5cmの靴を選ぶこと

 続いて、足の“重心”を測るカーボンプリント検査へ。