ショーウインドーに映った自分をふと見たら、老け込んだ姿勢に衝撃! そんなあなたは、「肩関節の位置」を見直してみて。前側にずれ込んだ肩位置を整えるストレッチで薄着の季節もすっきり若見え!

肩関節が前側にずれると老け込みが加速する

 「長時間のデスクワークによって猫背になり、肩が前側に入る『前肩(まえかた)』になると、肩関節そのものが前側にずれこみます。前肩のデメリットは見た目の問題だけではありません。肩凝りが慢性的になるのはもちろん、肩関節に伴い背骨のカーブも崩れ、首や腰に痛みが連鎖することもあります」と、Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長で整形外科医の中村格子さん。

中村格子
整形外科医・医学博士
スポーツドクター

Dr.KAKUKOスポーツクリニック院長。横浜市立大学整形外科客員教授。横浜市立大学医学部卒業。同大学附属病院、国立スポーツ科学センター医学研究部研究員などを経て、2014年より現職。トップアスリートから一般の人まで指導・治療。「大人のラジオ体操」(講談社)はシリーズ累計82万部。著書多数

 自分はたぶん前肩だと思うけれどよく分からない……というときは、立ち姿勢で確かめてみよう。

 特別な意識をしないで、何気なく立ち姿勢をしてみよう。真横から見て、両手が体の真横より前側にきている人は「前肩」。肩関節の位置が正しい状態ならば、手は体の真横にくる。肩関節の位置のずれが、全身の「老け見え姿勢」に影響していることが自覚できるだろう。

 肩関節は、肩から肘にかけての「上腕骨」、体の前側の胸骨と肩甲骨をつなぐ「鎖骨」、背中側にある三角形の「肩甲骨」の3つの骨で構成されている。

 「通常、関節はクッションの役割をする柔らかい組織によって包まれていますが、肩関節は膝などの他の関節と異なり、包まれている部分はごく一部だけ。だから、肩関節周囲はもともとこすれる刺激に弱く、損傷しやすいのです。その上、肩関節は、つなぎ目である接合部がずれやすい構造をしている、という特徴も。

 だから、四十肩や五十肩など強い痛みが出る炎症も起こりやすい。さらに、年齢とともに肩周辺の筋力も低下するため、『前肩』を元に戻す力もなくなり、『老け見え姿勢』が定着してしまうのです」(中村さん)。