6月20日(水)に、大塚製薬主催の「エクオールセミナー」が開催されました。閉経前後の女性に起こる更年期症状を和らげる、骨粗しょう症の予防をサポートする――などといわれ、最近その名前をよく聞くようになった「エクオール」。現在も研究が続けられ、肌のシワにも関係することが分かってきました。

女性ホルモンは全身をサポートするホルモン

 女性ホルモンは、閉経前後に急激に減少するといわれています。それに伴って、女性は体調が安定せず、さまざまな症状が出てきます。これが「更年期症状」といわれるもの。そもそも女性ホルモンは女性の体にどのように関わっているのでしょうか。

女性ホルモンは女性の体にどのように関わっているのでしょうか (C)PIXTA
女性ホルモンは女性の体にどのように関わっているのでしょうか (C)PIXTA

 「初経があると女性ホルモンの一つであるエストロゲンが急激に上昇し、20~30代で安定期に入ります。閉経を迎える50代前後になると、女性ホルモンは急激に減少していきます」と、大塚製薬佐賀栄養製品研究所の上野友美さん。女性ホルモンは、子宮や乳房などに影響しているだけでなく、循環器や血管、脳の神経、骨、皮膚、髪、爪などにも働いている、女性の全身をサポートするホルモンなのだそうです。

 「女性の妊娠に関わるホルモンで、閉経前は一般的に男性に比べて柔らかく保たれています。それは、妊娠中に胎児に栄養を与えるために血管をしなやかに保つ働きをしているからだと考えられます」(上野さん)。閉経前後に女性ホルモンが減少するのは妊娠・出産に関わるホルモンだからのようです。

 「閉経前に月経周期が乱れ、その後、顔を中心にほてり、発汗があるホットフラッシュ、イライラなどの症状が表れます。そして、65歳以上になると、動脈硬化や骨粗しょう症、生活習慣病などが起こりやすくなってくるのです。また、血中脂質の上昇や骨密度の急激な減少など体の中の変化は45~55歳くらいの更年期に起こってきます」(上野さん)

 そんな体調を整えるために必要なエストロゲンに似た作用をするといわれていたのが、大豆に含まれるイソフラボン。日本では昔からよく大豆製品を食べることから、欧米人に比べて「女性の更年期障害が軽い」「骨粗しょう症による骨折のリスクが低い」のはそのおかげと、英国の医学専門誌で取り上げられたこともあるそうです。

 そして、その働きのもとになっているのが、「エクオール」という物質だと分かってきました。エクオールは、大豆に含まれるイソフラボンが、おなかの中で腸内細菌によってつくられる成分。「エクオールは、腸内でつくることができる人とつくることができない人がいます。エクオール産生者は、欧米では約30%、日本では2人に1人といわれています。ただし、日本の場合、それは50代以降の人で、20~30代の人は欧米と同様に約20~30%しかつくれないのが現状です」(上野さん)。

 その理由は解明されていないとのことですが、食事が影響しているともいわれているそう。毎日忙しくしている働き女子にとってはあまりうれしくないことです。