「夢を追いかけている彼は大好き……だけど、金なさすぎ!」そんな貧乏彼氏との未来に迷いを感じている方も多いのでは。そこで今回は、月収6万円(当時)のバンドマンと結婚し、稼ぎ頭として夫と娘を支える犬山紙子さんに「貧乏男」との幸せな結婚についてズバリ聞きました。

彼の仕事との向き合い方を見てみて イラスト/犬山紙子
彼の仕事との向き合い方を見てみて イラスト/犬山紙子

――犬山家ではベーシスト兼漫画家の夫・劔樹人さんが主夫業を担当し、犬山さんは一家の稼ぎ頭という役割分担をされているそうですが、こういった形態になったきっかけはなんだったのでしょうか。

 実は私、ずっとお金持ちの男性が苦手だったんです(笑)。今はそんなことないのですが、自分が若い頃に出会ったリッチな男性たちが往々にして「女は家にいて家事をするのが当たり前」「妻の仕事は育児と子育て」みたいな封建的な考え方の人ばかりで。そしてそれを自分に押し付けられたらたまらないとずっと思っていたんです。その後、そんな感じじゃない、対等な関係でいられるお金持ちの男性の友人と出会うので、「すごい偏見だったな」と思うのですが。

 加えてこれは自分の性質の話ですけど、相手にお金を払ってもらうのが本当に苦手。おごってもらった分何も返せないけど……って思って、変に相づち打ちまくったり、料理を取り分けてみたりしてしまう。そうしていないと、お金を出した相手と自分とのバランスが取れない感じがして、気を使ってしまうんです。すると、その時間が全く楽しくなくなる(笑)。

 別にそこまでプレッシャーを感じることはないと分かったのは、自分が人におごるようになってからです。「あ、おごるほうも気持ちいいんだ」って気が付いて。お金をちゃんと稼いでなかったから、逆に恐縮し過ぎていたのかもしれません。だから、そもそもお金持ちの男性とお付き合いをするって経験がほぼ皆無でした。