世界で称賛される日本酒「獺祭」による「獺祭」のためのバー
“獺祭Bar23”

 今、最も勢いがある日本酒のひとつと言われ、「入荷した途端に酒屋の店頭から消えてしまう」と噂の「獺祭」。

 山口県の旭酒造でつくられるこのお酒は、世界20ヵ国以上で販売され、パリの三つ星レストランのワインリストにも登場。「日本のロマネコンティ」と称されるほどに評価が高まっているのだとか。

 そんな人気の「獺祭」をたっぷりと味わえる、蔵元直営のバーをご紹介します。

 「獺祭Bar23」があるのは、京橋にある東京スクエアガーデンの一角。重厚感あるバーカウンターの中には、獺祭のボトルのほか、整然と並ぶワイングラスも目に入ります。

 というのも、獺祭の持つ芳醇な香りを生かすには、おちょこやぐい飲みを使うよりもワイングラスがおすすめなのだそう。グラスの口先が内側にカーブしているため香りが逃げにくく、ガラス製なので繊細な味わいも引き立つのです。

 獺祭が世界から注目を集めるようになった要因にはさまざまありますが、その主たるものは「二割三分」という精米歩合。玄米に対する重量が二割三分、つまり23%になるまで磨いて、米の芯の部分のみを使用しているのです。

 酒造りにおいては通常、米の70%程度を使用する場合が多く、60%以下のものを「吟醸」、50%以下のものを「大吟醸」と呼び、精米されるほどに雑味がなく香り高い仕上がりになると言われています。

 二割三分は、酒米の磨き歩合としては最高峰。それゆえに、華やかな香りと豊かな味わい、さわやかな後味と心地よい余韻が楽しめるのです。

二割三分の米の磨き加減がわかる、精米歩合のサンプル。ここまで磨き上げるには、約7日間かかるのだそう
二割三分の米の磨き加減がわかる、精米歩合のサンプル。ここまで磨き上げるには、約7日間かかるのだそう