本当にその相手と仲良くなりたい? 究極はそこ

 これまで、この連載記事では「初対面の人とどうしたら打ち解けられるか?」という視点で、さまざまな手法をお伝えしてきましたが、「誰とでも打ち解けなきゃいけないのか?」というと、そうではありません。第一印象の段階から「この人はちょっと……」と感じた場合は、打ち解ける努力も必要ありませんしね。

 「自分は本当にその相手と仲良くなりたいのか? 仲良くなれるのか?」
 そういう視点を持ちながら、目の前の相手を冷静に見ていくことも大切です。

 今後もその人と付き合いたい、もっと近づきたいと感じるポイントは、人それぞれ異なるでしょう。例えば、「なんだか気が合う」「話が合う」「魅力的だ」「尊敬できる」「自分にとって有益だ」など。ただ、その相手と関係性を深めていくには、根底に、なんとなくお互い気持ちや考えが通じ合える部分があったり、自然体の自分でいられる時間がないと、やはり難しいのではないでしょうか。

 そういう意味で「自分はその相手と仲良くなりたいか? 仲良くなれるか?」を見極めるには、「素の自分を出しても引かれないか?」で分かります。
 初対面なので、皆さんもまさか「素の自分」全開でいかないでしょうし、最初はお互いどんな人なのか、探り探りだと思います。そこで会話の中で、素の自分の一面(ちょっと人に隠したいけど、話せる範囲の内容)を所々に挟み込んでいくのです。

(例)
「私、お酒が好きでよく飲みに行くんです。一人でもバーに行っちゃうんですよ」
「私、休みの日にたまにお寺に写経をしに行くんです。すごく心が落ち着くんですよね」
「私、実は夢がありまして、〇〇で起業できたらなと思っているんです」