会議室に通されて、相手が部屋のドアを開けて入ってくるところからイメージングスタート。自分が椅子から立ち上がって、名刺交換をして笑顔で一言。「今日はお会いするのを楽しみにしていました! よろしくお願いします!」。

 すると相手が私の名刺を見るなり、「〇〇さんって珍しいお名前ですね! どちらの出身ですか?」と聞かれると想定(実は私の本名、かなり珍しい名前なので)。

 対して私は「いや~この名字、日本に100人いないらしいんですよ。ほぼほぼ、うちの親戚で占めてると思うんですけどね!」とジョークを交える。というふうに、自分が相手とどんな会話を繰り広げたいか、冒頭部分を細かくシミュレーションするんです。

 すると当日、和気あいあいと会話が運びます。本当に同じような会話のやり取りがなされて、驚くことも。まさにイメージングがアメージングに! こうして具体的にイメージしておくと、相手とはもはや初対面の域ではなくなります。なにせ、一度前夜に自分の頭の中で「会って」いるんですから!

 翌日会うのはもう2回目という算段。相手と初めて会った気がしなくなり、思わず言葉の端々になじみ感が出てしまいます。ですので、不思議と相手からも、「望月さんとは以前どこかでお会いしたような気がするんですよね」と言われることもしょっちゅうです。

 これは、不慣れな環境でも何度か経験すると次第に慣れていく「馴化(じゅんか)」という心理学の概念を応用したものですが、前もって何度も頭の中で経験しておくことで、当日その場にすぐなじみ、リラックスできることから、より親近感を感じてもらえるかなと思います。