仕事ができる人は、メールが驚くほど短くて速い

 仕事ができる人は時間の使い方に無駄がないので、メールも簡潔なことが多い。「了解」とか「ない」とか、本当に二文字だけの返事の人にも会ったことがあります。素っ気ないように思うかもしれませんが、長々とした文章で返事が遅いより、コンパクトに要件がまとまっていて早くジャッジをもらえるほうが、仕事がはかどって皆ハッピーですよね。

「さすがの僕も、最初は嫌われてるかと思いましたよ。でも話してみたら『早くジャッジがほしいでしょ』と言っていて。彼は仕事が速い、できる人だったんですね」 提供/野呂エイシロウ
「さすがの僕も、最初は嫌われてるかと思いましたよ。でも話してみたら『早くジャッジがほしいでしょ』と言っていて。彼は仕事が速い、できる人だったんですね」 提供/野呂エイシロウ

 それなのに人ってやつは、「お世話になっております」とか「拝啓」とか「候」とか入れたくなっちゃうんですよね。全部「おっす!」くらいの意味しかないのにね(笑)。きっと周りがやっていないことをしたら失礼になる気がして、心配なんですよね。

 でも僕、こういった「○○するべき」「○○しなければいけない」って考え方が嫌いで、すべての停滞の原因だと思ってるんです。

 メールだって挨拶文なしで即レスしていいし、昼休みの時間だからって休まなくてもいいじゃん。夏なんて、わざわざ暑い時間帯に激混みのレストランに並んでせかせかランチ食べて…‥それって休みというか、余計に疲れませんかね。

 僕がサラリーマンだったら昼休みの時間は寝て、食事はスニッカーズとかで済ませますよ。昼ごはんくらい抜いたっていいじゃないですか。それよりも、ゆっくりできる時に、好きなものを好きなだけ食べたほうがよっぽど充実した時間になると思うし、効率的だと思うんです。

名刺がしわくちゃだっていい

 そうやって、こだわりやなにも考えずに習慣化していることなんて、どんどん捨てちゃえばいいんです。真面目なことはいいことですが、一つのやり方に固執する必要なんてないですよね。

 スマホだけで仕事ができるならそれでもいいし、勉強に使う本は紙じゃなくたっていい。よく「ネットなんて」とか「本は紙じゃなきゃ」って言う人もいけるけど、僕はインターネット上の情報も自分の脳の一部だと思ってるし、便利で楽になれるテクノロジーがあるならどんどん活用すべきだと思ってます。原始時代から人間のできることなんてそんなに進歩してないんだから(笑)、できない部分は最先端の技術に頼って、自分より知識のある人と仲良くなっておけば、それが自分の力になる。だからがむしゃらに全部暗記して勉強する必要なんてないと思いますよ。

 以前、海外のある著名な方と会食した際、彼からポケットにあったくしゃくしゃの名刺をもらったことがありました。でも文字は全部読めたし、メールの返信もちゃんとあった。つまり名刺は名刺としての役割をちゃんと果たしたからそれでいいわけで、きれいじゃなきゃいけないとか、名刺入れを持ち歩くべきというところから自由になっていいんです。

 皆もっともっと頭を軟らかくして、自分が楽しいほう、気持ちいいほうを選んでいきましょうよ。

聞き手・文/小泉なつみ イラスト/田中小百合