かわいい後輩を思っての注意がアダになることも…

 下の人に口うるさく言わないといえば、とても興味深い調査結果について聞いたことがあります。

 入試や資格試験など、何よりもまず「名前を書き忘れない」というのは基本ですよね。点数が無効になり、今までの勉強がすべて水の泡になってしまいます。にもかかわらず、必ず一定の人が名前を書き忘れるそうです。

 そこで名前を書き忘れる人はどうしてなのか。ある学校の協力を得て調査したところ、一つの共通点が浮かび上がってきました。幼い頃から「オマエはそそっかしくて、いざというときに失敗しやすいから気を付けるんだよ」と言われて育ったこと。

 「気を付けなくては」ではなく、「自分は、いざというときに失敗する人間なんだ」ということが刷り込まれてしまったのでしょう。結果、本当にいざというときに失敗してしまう人間に育ってしまいました。子どもを失敗させたくないという親心が、かえって失敗しやすい人間にしてしまう……。もはやこうなると、呪いの言葉ですよね……。

 お笑い界に置き換えると、「M-1グランプリ」や「キング・オブ・コント」など若手芸人の人生をかけたような大きな大会で、ライバルを緊張させる言葉かけはこうです。

 「取りあえず、今日は緊張だけせずに頑張ろう!」
 「緊張さえしなければ、力を発揮できるから!」

 言われたほうは、どんどん緊張します(笑)。それまでは一切意識していなかったのに、他人からの言葉がけで意識下に入ってきてしまうんですね。

いかに相手を信頼しているかをきちんと言葉に

 では、どういう言葉を投げ掛けられるといいのかというと、「大丈夫」なのだそうです。

 これは、部下や後輩を指導するときも参考になるのではないでしょうか。言いたいことは100あっても、それを口うるさく注意点を指摘するよりも、「キミなら大丈夫!」と仕事を任せたほうが、彼らは安心して本来の力を発揮できるのです。自分の経験を振り返ってみても、仕事がつらくて相談メールをしたときに、「大丈夫、オマエだったら!」という言葉がものすごい力になったことはありますもんね。

 ここでは、「オマエなら」「あなただから」の一言も重要だと思います。いかに相手を信頼していて求めているかを、しっかりと「言葉」で伝える。どんな仕事にも人の力は欠かせない以上、人の気持ちまでくんでこそ信頼は高まるというものです。ささいなことではありますが、こういうところに、先輩や上司としての器が表れると思いますよ。

【手相お守り/カリスマ線、お見通し線、親分肌(愛情)線】
リーダーの適性が分かる手相もあります。親指側の手首のほうから上に伸びる線が「カリスマ線」。周囲を引っ張るリーダータイプに現れ、自分から歩み寄らずとも大勢から慕われている人に見られます。

「お見通し線」という、物事の本質を見抜く力に優れている人にある線もあります。感情線上の薬指の下辺りにある、2個~4個の楕円形の線で、問題解決力に優れています。

親指の付け根にある複数の横線は「親分肌線」。別名「愛情線」です。懐が深くアツい心の持ち主で、面倒見がよく、年下から慕われている人に多い線です。これらの手相は職場コミュニケーションのネタにすると盛り上がります。ぜひ活用してみてくださいね。

聞き手・文/平山ゆりの 写真/小野さやか、PIXTA