「運命の人」…という言葉には、どんな女性であってもドキッとするのではないでしょうか。最近、美輪明宏さんの本を読んだのですが、「宿命は、持って生まれた定め。しかし、それを自分の力で変えて切り開くのが運命」…といった言葉がありました。結局、運命の人というのは、自分が培ってきた人生を共感し合える人であり、今の自分にとって最高だと思える人なのかもしれませんね。

 では、最高に自分と合う人と、出会える確率はどれぐらいなのでしょうか? そんなことを考えていたとき、非常に興味深い論文を見つけました。

出会える確率を数学者が試算してみた

 タイトルは、

■「Why I don't have a girlfriend : An application of the Drake Equation to love in the UK /Peter Backus」

 和訳すると「なぜ私には彼女がいないのか?」。直球です(笑)。

 これは、イギリスのマンチェスター大学で助手として勤務するピーター・バッカス博士による論文です。彼は、ロンドン在住の研究者(論文発表当時)で、得意の数学を生かして、銀河系に生命体がどれぐらいいるかを算出するための推定式を使って、自分が理想の彼女と出会う確率を計算しました。

 イギリスのロンドンに住む人の中に、自分好みの女性が何%いるのか。その女性が未婚であり、自分に関心を持ってくれるのか。そして、ロンドンで一晩の間に偶然に遭遇する確率を算出したのです。

この街で、理想の人に偶然出会える可能性は…? (C) PIXTA
この街で、理想の人に偶然出会える可能性は…? (C) PIXTA

運命の人に出会う確率は?

 その結果、はじき出されたのは、0.00034%という低いものでした。

 あまりの低さにただただ驚きますよね。ただ、このバッカス博士は、この論文を書いた後に彼女ができたと、当時のニュースで語っているようです。運命の人に出会う確率が0.00034%という低い数字の中で、彼はどのようにして理想の彼女を見つけたのでしょうか?

 そのヒントを得るための研究は、世界各国の経済学者の間で数多く発表されています。次ページでは、日本でこの分野で有名な経済学者の論文を紹介します。