黒字なのになぜ倒産するの?

 「黒字倒産」とは、黒字の状態であるにもかかわらず資金繰りが追い付かず、倒産することを意味します。例えば、新卒や転職したてのことを思い出してください。入社したての月は生活が大変じゃありませんでしたか?

 働いた給与は月末に支払われることが多く、4月分の生活費をやり過ごすのに苦労した経験があるのではないでしょうか。企業もこれと一緒で、商品やサービスを提供しても、顧客から売上代金が振り込まれるのは、1~2カ月遅れだったりします。

 つまり、販売を掛けて行っているわけなんですね。この場合、まだ代金を回収できてなかったとしても、決算書には売上高は加算されます。しかし、しばらくの間は、その企業の銀行口座には売上高分の現金はないわけです。

 そんな現金が無い状態が運悪く続き、仕入れや給与の現金支払いが滞ってしまうと、最終的には倒産となってしまいます。

 過剰投資のつけが運悪くリーマンショック時に重なって、黒字倒産をした事例では、アーバン・コーポレーションが有名です。

 ちなみに、無理にでも黒字をつくろうとして、結局は違法行為に手を染めて倒産したのがカネボウです。結果的に見せかけの黒字を作ることで、結局は資金繰りが追いつかず窮地に陥りました。