プロジェクト単位でいろんな会社で働く「フリーランス型正社員」

 こうしたことを考えると、企業側の正規雇用へのニーズは今後、どんどん落ちていくでしょう。日本の雇用形態では、企業側は解雇しにくいですし、更には不確実性が高い経済環境で社員に依存されてしまっても最後まで面倒を見切れなくなります。

 ただ一方で、非正規雇用だけでは、その企業への忠誠心も育たず、会社に尽くしてくれる人材を生み出すことも難しいのが現状です。

 私は、今後は「フリーランス型正社員」という正規と非正規の中間職が生まれると予想しています。それは、いろんな会社でプロジェクトベースでかかわりながら、働き先を分散させるような働き方です。

求められるのは、いろんな会社で活躍できる会社員?(C)PIXTA
求められるのは、いろんな会社で活躍できる会社員?(C)PIXTA

 東京大学先端科学技術研究センター・特任講師の熊谷晋一郎さんは、「自立とは依存先を分散させること」と指摘しています。

 まさに、これからは、先行きが不透明ななかで、いろんな会社にリスクを分散させる働き方が増えるのかもしれません。そういう意味では、順応能力が高いといわれる女性へのニーズが更に増すかもしれませんね。

文/崔真淑 写真/PIXTA

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