イギリスのEU離脱で、なぜ円高になるの?

 一番大きいと考えられるのは、為替市場です。

 ん? 金融機関に勤めていない限り、あまり影響ないのでは? と感じる方も少なくないかもしれません。しかし、そうとも言えない事情があるのです。EU離脱が決定した6月24日、急速な円高が進行しました。

 世界で最も流通しているのは、アメリカドルです。次にユーロ、日本円、イギリスポンドと続きます。イギリスが離脱したことによって、イギリスポンドに価値を見出せず、売りたいと考える人が多いのはうなずけます。

 しかし、イギリスだけでなくEUに加盟している国が次々と離脱したら……通貨ユーロの未来はどうなるでしょうか。そんな思惑もあり、ユーロも売られています。その結果、相対的に円に価値を見出す人が増えて、円高に振れたという背景もあるようです。

円高になるとどうなるの?

 円高になれば、輸出企業の海外競争力は低下すると考えられます。なぜなら、日本以外の国からすると、日本の商品が割高に見えてしまうケースがあるからです。もちろん、海外で活動する日本企業の多くは、現地に移転生産を進めており、ひと昔前に比べると円高の影響は受けにくくはなっているとは思うのですが。

 しかし、円高による輸出企業への影響だけでなく、そうした企業から受注をしている日本国内の企業、その企業に勤めている働き女子……と今後は連鎖して日本経済全体に影響が出てくる可能性があるのです。

 現状の円高水準が続くとなれば、過去のデータを踏まえると、約2兆円(!)のマイナスの経済効果の可能性が出ています。(注:日本のGDPと円高の影響を、ドル円が105円から102円に円高に振れた場合で試算)

 これにより、来年のボーナスなどに、ジワリジワリと影響が出てくる可能性があるのです