女の勘…。やっぱり、当たるなぁと感じる瞬間ってありますよね。広辞林には、勘とは「分析的な思考によらないで直観的に物事の真相をとらえる事」とあります。まさに、直感と同義で使われる言葉のようです。

 この直感を活かして、プライベートでもパートナーや彼の怪しい動きから何か(笑)を感じ取り…いろんなことが判明したことがある人は少なくないでしょう。今回は、直感と働く環境との関係にフォーカスし、なぜ直感で判断すると仕事が上手くいきやすいのかの学術研究を紹介していきます!

あなたは、その仕事をどうやって選びましたか?

 就職活動にしても、転職活動にしても、どの会社、どの職業に就くべきか悩んだ経験は誰にでもあるでしょう。では、そうした職業選びに悩みがつきないのはなぜでしょうか?

 それは、選択しようとしている職業にプラス評価もできるところもあれば、マイナス評価の点もあるからです。

 例えば、今の仕事は非常にやりがいがある。でも、お給料は他社よりも安い。そんな時に、自分が希望する職種ではないけど、お給料が格段に高くなる会社から誘いを受けた…。さあ、どうします?

 こんな話が出ると、「それぞれの会社で働くことのメリット・デメリットを書き出して評価してみたら?」とアドバイスを受けることがあります。冷静に頭の中身を整理してみたら…ということなんですよね。

 では、このようにきっちり分析して職業を探した人と、詳細な分析をしないで感覚で決めた人と、どちらの方が仕事満足度が高いのでしょうか?

直感で、就職先を決めた人はどうなる?

 コロンビア大学アイエンガ―博士等による2006年に発表された「Doing better but feeling worse: Looking for the ‘best’ job undermines satisfaction」という論文にヒントが隠されています。

 新卒者を対象に、就職活動で客観的に正しいと思われる分析方法をとって就職した層と、そうではなく直感的に大雑把な方法で就職をした層とで、満足度の比較を比較しています。

 さて、就職して6か月後の調査では、前者(客観的に正しいと思われる分析で就職した層)が、平均的に給料が高いという結果が出ていました。しかし、満足度は低かったのです(!)。

 詳細に分析した層は、メリット・デメリットを徹底的に比較検討したのに、その最終的な決定に満足を得られていませんでした…。なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?