決済を面倒にしてしまえば、買いたくなくなる

 「コンビニに払いに行くのは面倒くさいなぁ」とか、「手数料がもったいないなぁ」と思えばしめたもの! そこでブレーキがかかる買い物なら、どうしても必要なものではないでしょう。また、そこまで労力とお金を払って欲しいものでないのなら、「今慌てて買わなくてもいいか」という気持ちになりやすいのです。

 この方法のポイントは、「買ってはいけない」という全面禁止ではなく、「買ってもいいよ。でもその代り、ひと手間かかるよ」という条件付きのOKにすること。

カードを使わずに生活してみたら、その物欲がおさまるかも(C)PIXTA
カードを使わずに生活してみたら、その物欲がおさまるかも(C)PIXTA

 全面禁止だと、できないことに目がいき、ストレスがたまりやすくなるため、その反動がドカ食いならぬドカ買いになりがちです。でも、「買えるけれど、買わない」という選択を自ら選ぶのなら、納得の上なので、ストレスがたまらずに買い物が減り、最終的には、クレジットカードを使うことが減るのです。

カード以外にも使える「条件付きOK」のルール

 この「全面禁止じゃないよ、条件付きOKだよ」というのは、クレジットカード以外にも応用できます。

 以前、コンビニコーヒーが好きで、1日2~3度は飲むという方がいらっしゃいました。ほかにお金を使いたいことがあるので、コンビニコーヒー代を節約しようと思って、コーヒーを水筒に入れて持ち歩きました。でも、水筒コーヒーを飲むたびに「やっぱりコンビニコーヒーが飲みたい」というストレスがたまり、結局節約は1日しかもたなかったそうなのです。

 そこでお伝えしたのが、「コンビニコーヒーを買ってもいいよ。その代わり、買ったコーヒーを写真に撮って、1週間で何回飲んだか記録してね」という条件付きOKのルール。すると、「飲みたいけれど、写真に撮るのが面倒くさいから、まぁいいか」と我慢できるようになったのです。やりたいことそのものにスポットを当てるのではなく、あえて、違うところからストップをかけるのがコツなのです。

 どちらの事例も、「本気で変わりたい!」と思った相談者のみなさんが素直に実践された結果ですから、「クレジットカードのせいでお金が貯まらない」とお悩みの方は、条件付きOKの方法を試してみてくださいね。
 次回は、クレジットカードのポイントの落とし穴についてお伝えします。

文/前野彩 写真/PIXTA

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