(3)単純に納めていない場合

 学生時代、国民年金保険料を納めておらず(放置していて)、学生納付特例の申請もしていない場合は、老後に受け取る年金額は、その期間の分だけ少なくなります。減る金額は、納めていない期間1年に対して、老後の年金約2万円/年です。

 女性の2人に1人は90年以上生きる時代ですから、老後に「あのとき、ちゃんと納めておけばよかった」と後悔しないようにしたいですね。

納めていなくても、「後納」というチャンスがある

 国民年金保険料の納付期間は2年です。そのため、学生納付特例を申請していた人も、そして、単純に納めていなかった人も、2年前までの分は、「追加負担なく」、遡って納めることができます。これを「後納」といい、2017年3月時点では、17万人を超える人が利用しています。

 また現在の後納制度では、2018年9月までの間に限り、5年前の分まで遡って納めることができることになっています。これにより、単純に納めていなかった人も、「後納」で老後の年金額を増やすことができます。

 国民年金保険料を1年分納めると、老後の年金は、1年あたり約2万円増えます。制度上は1カ月単位で後納できますが、今、1年分の国民年金保険料約19.8万円を納めることで、例えば年金受給資格のある人が65歳から90歳まで生きた場合、老後の25年間で受け取れる年金額をトータル約50万円増やすことができるのです。老後の安心が増えますね。

知っているのと知らないのとでは、老後の安心感が違います (C) PIXTA
知っているのと知らないのとでは、老後の安心感が違います (C) PIXTA