5月の給料明細と、6月の給料明細で変わるものは何でしょう? 残業代に社食代など、いろいろあるかもしれませんが、法律で決まっているものとしては、住民税です。住民税は、「昨年の所得」で決まり、毎年6月を起点として納める税金のこと。この4月に社会人2年目になった方は、6月の給与から差し引かれますので、しっかりと確認しましょう。

きちんと理解していますか? 住民税のルール

 住民税は、昨年の所得に応じて納める額が決まり、それを今年の6月から翌年の5月まで、12回払いで納めます。

 つまり、2018年5月の給料から差し引かれている住民税は、2016年の所得に応じて納める税金であり、来月6月の給料から差し引かれる住民税は、2017年の所得に応じて納める税金なのです。

 住民税を納める先は、1月1日時点で住んでいるところです。

 春には、転勤などで引っ越した人もいると思いますが、この場合も、納めるのは1月1日時点で住んでいた所です。例えば、1月は大阪に住んでいて、今年の春から東京に住んでいるような場合でも、今年の6月から来年の5月までの住民税を納める先は大阪なのです。

住民税ってそもそも何?

 住民税を徴収する主な目的は、地方自治体による教育、福祉、防災、ゴミ処理などの行政サービスを行うための資金確保。一定額以上の収入がある人から、その額に応じて税負担させるという点が特徴です。

住民税には、都道府県に納める「道府県民税」と、市区町村に納める「市町村民税」の2種類があります(東京都は、都民税と、23区内の人は特別区民税を納めます)。

 この道府県民税と市町村民税には、さらに、それぞれ「所得割」と「均等割」の2種類があります。

 所得割とは、昨年の所得に応じて納める税金のこと。たくさん稼いだ人ほど多く納める仕組みになっています。道府県民税と市町村民税の税率は合わせて10%です。

 それに対して、均等割は、住民税を納める必要がある人、一人ひとりが同じ金額を納める税金で、道府県民税と市町村民税を合わせて5000円です。なお、各自治体で若干、税率等が異なることもあります。

収入や住所によって、かかる住民税の金額は異なります (C)PIXTA
収入や住所によって、かかる住民税の金額は異なります (C)PIXTA

住民税の金額はどうやって決まるの?

 住民税は昨年の所得によって決まるとお伝えしましたが、あなたが住んでいる自治体は、その情報をどこから得ているのでしょうか?

 実は、会社や税務署(国)から市町村へ情報が届いています。

 会社勤めの場合は昨年の源泉徴収票に当たる給与支払い報告書が会社から市町村へ提出されます。個人事業主や一部の会社員は、国に納める「所得税」の確定申告をしていますので、その申告した所得の情報が、住んでいる自治体に届き、それを基に住民税が計算されているのです。

 つまり、年末調整で必要な申告を忘れていたり、面倒だからと医療費控除などの確定申告をしなかったりした場合は、所得税だけでなく、住民税も納め過ぎ……ということになってしまうのです。

 住民税が決まる前には、所得税の存在があるので、税金のことはしっかりと知っておきたいですね。