利息が消える!

 先ほどの退職金キャンペーンで、3カ月7%という高い金利で250万円を預けた結果、受け取る利息は3万4862円でした。そして、残り半分の250万円で買った投資信託に支払う購入手数料は9万4500円です。

 ということは、一見すると高い利息をもらってもうかった気になっていても、購入手数料のほうが高いので、実際は、5万9638円分赤字です。

 金融機関側から考えると、退職金キャンペーンの定期預金の金利を高く設定していても、実際は、投資信託の購入手数料を受け取るから、金融機関は十分にモトが取れるからくりになっているのですね……。

 もともと投資したい投資信託があって、そのタイミングで退職して退職金キャンペーンを使うのなら、それは賢い方法です。しかしながら、多くの方は、高金利に魅力を感じて投資信託を「買わなきゃいけない」という状態になるようです。

利息と手数料を相殺したら赤字って… (C) PIXTA
利息と手数料を相殺したら赤字って… (C) PIXTA

 前回もお伝えしましたが、金融機関の退職金キャンペーンを利用する際は、あくまでも「一時的なお金の置き場」と思って、定期預金だけの金利上乗せキャンペーンにとどめておいたほうが無難でしょう。

 商品に自分を合わせるのではなく、自分の希望に合った商品で運用する意識を持ってくださいね。

 若い読者の皆さんなら、慌てて退職金キャンペーンの投資信託に飛びつかずとも、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やNISAがありますし、来年からはさらに積立NISAも登場します。

 自分に合った運用方法を見つけて、経済的にも、気持ちの上でも豊かに生きていきましょう!

文/前野彩 写真/PIXTA

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