持ち家の火災保険はどう備える?

 持ち家の場合は、家を買うときに同時に火災保険に加入するため、建物は保険が適用されるケースが多いのです。でも、建物だけでなく、家の中にある家具や電化製品、食器、洋服などの「家財」の保険はどのようになっていますか?

 火災保険は、建物と家財が別々に補償されるため、もしかしたら、火災保険に加入しているのは建物だけかもしれません。家が全焼したときには、建物も家財もなくなってしまいますから、それを分かった上で加入する・しないを決断しましょう。

 ご相談にいらっしゃる方でよくあるのは、火災保険に加入していれば、建物も家財もすべて火災保険が補償してくれるという思い込みです。自分の保険証券を確認しておいてくださいね。

賃貸の火災保険はどう備える?

 賃貸では、契約を結ぶ際に、2年間の火災保険契約をすることが一般的です。ただし、更新時期に火災保険料がもったいないという理由で、更新せずに無保険になっている人がいますから、賃貸の場合は、無保険にならないように注意しましょう。

 賃貸の場合も、建物と家財は別々に加入しますが、建物は大家さんが加入します。でも、部屋を借りて使っているのはあなたですから、もし火事に遭ったとしても、大家さんには借りたときと同じ部屋の状態に戻して、部屋を返す義務があります。

 これは、自分が火事の火元のときも、お隣さんが火元で自分の借りている部屋が燃えてしまっても同じです。そこで、大家さんに借りた部屋をちゃんと元通りにするための保険が「借家人賠償責任保険特約」です。この特約に加入することで、もしものときに備えることができるのです。

 ただし、借家人賠償責任保険特約は、単独では加入できません。部屋の中にある家財を補償する保険に入り、この契約に借家人賠償責任保険の特約を付けることで、もしものときに、自分の家財と大家さんへの弁償とを、両方をカバーするようになっているのです。

住む所がなくなった上に、自費で大家さんに借りた部屋を弁償することになったら… (C) PIXTA
住む所がなくなった上に、自費で大家さんに借りた部屋を弁償することになったら… (C) PIXTA

 もしものときに住む所がなくなったうえに、自費で大家さんに借りた部屋を弁償することがないように、必ず火災保険には加入しておきましょう。