医療費のお知らせはいつ届くの?

 例えば、お手元の健康保険証に「全国健康保険協会」と書いている健康保険証を使っている人には、今年の2月中旬から会社経由で「医療費のお知らせ」を受け取ります(医療を受けた人だけなので、「1年間病院に行かなかった!」という人にはありません)。

 医療費のお知らせを見ると、かかった医療費がわかるから、家族全員の医療費を合計することで、医療費控除を受けられるほど医療費がかかったのかどうかが、簡単に分かるのです。これがあれば、だいぶん便利になりますね。ただし、注意点もあるのです。

それでも領収書が必要なものがある

 「医療費のお知らせ」には、すべての医療費の情報が書いてあるわけではありません。

 今年の2月に届くお知らせに載っているのは、平成28年10月~平成29年10月までの1年間に受診した分です。書類には親切に「医療費控除見込み額(平成29年1月~平成29年10月分)」と書いてあるので医療費控除の目安額は分かりますが、平成29年11月と12月の分が載っていません。

 そこで、昨年11月・12月に受診した医療費については、別途自分で「医療費控除の明細書」を作成して、その領収書を証拠として5年間保管しておく必要があります。

申告漏れのないように、必要な領収書もあるということ、覚えておいて (C) PIXTA
申告漏れのないように、必要な領収書もあるということ、覚えておいて (C) PIXTA

 また、通院に必要だった電車やバスなどの公共交通機関の領収書がないものは、交通費の一覧表を自分で作成する必要がありますし、ドラッグストアで買った市販薬の領収書も自分で明細書を作成しつつ、領収書は保管する必要があります(注:市販薬購入分を医療費控除に適用するか、セルフメディケーション税制に適用するかは選択制です。■参考記事「2017年1月スタート セルフメディケーション税制とは?」 )。

 1年間の医療費を整理する手間は、「医療費のお知らせ」のおかげでラクにはなりましたが、最後に確認して申告するのは自分です。申告漏れがないように、「医療費のお知らせ」と領収書のリストをしっかりと確認してくださいね。

 もうすぐ届き始める昨年の「医療費のお知らせ」を確認して、家族全員が実際に負担した医療費が原則10万円を超えていたら、医療費控除が使えます。もしも医療費控除が使えるようなら、確定申告を怖がらず、面倒臭がらず、「お金の勉強」と思って、チャレンジしてみてくださいね。

文/前野彩 写真/PIXTA