自費診療のレーシック、インプラント、不妊治療は?

 次の3つのうち、医療費控除が使えるのはどれでしょうか? いずれも健康保険は使えず、全額自費診療の治療です。

A.視力を回復させるためのレーシック
B.歯のインプラント
C.不妊治療

 ひっかけ問題で申し訳ないのですが、実は、A:レーシック B:インプラント C:不妊治療、いずれも「治療」として行われているため、医療費控除が使えます。でも、多くの方が「健康保険が使えない治療だから、医療費控除も使えない」と思い込んでいるのです。

 レーシックは健康保険が使えず、数万円から数十万円かかります。インプラントも1本当たり数十万円かかりますし、治療にも数カ月から1年ほどかかります。不妊治療においては、健康保険の対象になる治療から体外受精や顕微授精などの健康保険が使えない治療まで、治療法と自己負担の幅があり、1年間で数十万円から200万円を超えるような場合もあります。

「不妊治療」も医療費控除は使えます (C) PIXTA
「不妊治療」も医療費控除は使えます (C) PIXTA

 これらは、いずれも治療・診療として医療費控除の対象になるのです。医療費控除の対象かどうかは、健康保険が使えるかどうかではなく、「治療かどうか」が判定ラインと考えておきましょう。

 「医療費控除は治療・診療が対象。予防と美容は対象外」と覚えておくといいですね。

 次回は、医療費控除を使うときに困らないための、医療費控除の改正点についてお伝えいたします。

文/前野彩 写真/PIXTA